去る11月27日、下北沢「B&B」で開催された、詩人の佐峰存さん×石田瑞穂×岡本啓さん(うえ写真左順)のイベント「言葉の旅、詩の岸辺へ」は、多くのお客様にご来場いただき、盛況のうちに閉幕。
ご来場のみなさま、ほんとうにありがとうございました!
この会の模様は、誌面収録の予定があり、詳しくは語りませんが、いま注目の新鋭、佐峰さんと京都から駆けつけてくださった岡本さんのフレッシュかつエネルギッシュなトークと朗読のおかげで、とてもいい詩の一夜になったと思います。すばらしいおふたりに、感謝を。
サイン会も盛り上がりました。今回、「見えない波」チームが、ちょうど福島でのイベントで、残念ながら欠席。詩人では、佐峰さんの『対岸へと』の栞文を書かれた野村喜和夫さん、北爪満喜さん、渡辺めぐみさん、岡野絵里子さん、山田亮太さんらがおこしくださった。
うえの写真は、かけつけてくださった写真家の小野田桂子さんが撮ってくださったもの。「YMOのジャケなかんじで!」とディレクションをくださり、よく見ると三人の視線が各々べつの方角を見つめています。小野田さんは、片瀬江の島高清のたたみいわしをプレゼントにくださる。パンクかつアバンギャルドな精神をもつカメラウーマンなのだ。
このあとは交流会。「B&B」のみなさんにお礼を述べ、下北沢の呑み屋に消えることになる。12時ちかくに、解散。ぼくは渋谷のスコッチバーに立ち寄り、午前一時。翌日もイベントがあったぼくは宿泊先の青山のホテルにもどる道すがらさらなるバーをさがすが、なんと、あいている店が、ない。
コンビニもなく、閑散とした246を煙草を喫いながら歩いていると、外苑方面から、ひとりの女性が歩いてくる。紅いワンピースのうえに皮のライダースジャケット。右手には重そうに、ワインボトル。左肩からはカメラをさげていた。
女性が、「すみません、ライターを、かしてもらえますか?」。ぼくは、ゴロワーズのパックとともにさしだし、いいけど、そのワインをくださいとたのんでみる。女性は、「いいけど、ぜんぶはだめです」と答える。
晩秋の肌寒い一夜。見ず知らずのぼくらは青山の路上で、数分間、煙草の火と、ワインを、交換した。ワインはすこし、香水のかおりがした。