昨日、今年さいごのイベントが、青山のステーショナリー「書斎館」で開催されました。おこしいただいたみなさま、ありがとうございました!
会は、いわゆるプライベート・リーディング。朗読と、珈琲を飲みながらのゆったりとした茶話会。
『耳の笹舟』の出版祝いで、内内で囲む会をひらきたいという申し出をいただいたのが、先月。限定二十名のちいさな催しになった。
会のおわりに、「この万年筆で、『Asian Dream』を書いてください」と、連名でペンをプレゼントしていただいた。でも、ペンにしては大きな箱で、ずっしりと重い。自宅に帰って、包装をほどくと、びっくり。上の写真、「福」の文字がはいった豪華な木箱。しかけ細工が施してあり、パズルめいた蓋をあけると、なかからインク壺とペンがでてきた。
ペンは、パーカー・デュオフォールドの限定モデル「福 チャイナレッド・リミテッドエディション」。透明感のある深紅のエボナイトボディ。キャップトップには祥雲と、さかさに「福」という漢字ロゴが篆刻されている。24金のペン先には、やはり「福」と、限定1399本中の「1116」とシリアルナンバーが打ってある。
原稿は手書きで、PCさえもっていない、ぼく。『耳の笹舟』の原稿は全篇、H氏賞の受賞祝いに親戚からいただいたファーバーカステルの銀軸の万年筆で書いた。
パーカーの書き味は、ドイツ産のファーバーにくらべると、やや大味。とはいえ、すばらしく書きやすい。毛筆のごとく、書き味はかるくなめらか。右手指先にフィットして、重さ、バランスもいい。生産国はイギリス。
附属のインクは、パーカー「ペンマン」のブラック。もう生産されていないインクで、オフィシャルのブラックより、濃厚な墨色をしている。
なんだか、えらいペンをいただいてしまった。プレゼントをしてくださった、代表の下田さん、サワコさん、クッシーさん、古川さん、瀧澤さん、ほんとうに、光栄です。そして、囲む会をひらいてくださったみなさま、こころよりお礼を申し上げます。
会のあとは、南青山のフレンチ「フィガロ」に連れていっていただく。緊張もしたが、たのしく、美味しく食事とワインをいただき、話もはずんだ。
この幸福な夕べを胸にきざみ、また明日からがんばってゆきたい。