庭の大銀杏が黄金色に輝く日。
スカイパーフェクTVで放映中の
詩とアートの番組「Edge」の取材を受けました。
前回の出演から約10年ぶり。
撮影場所も青山から、さいたま、に。
平田ディレクターとも10年ぶりに再会できました。
番組の放映スケジュールは未定ですが、
2011年3月5日にワタリウム美術館で開催された、
オールナイト・ポエトリー・リーディングの
出演者をひとり一人訪ね歩き、
インタビューされているとのこと。
ぼくはインタビューにひきつづき、
子どもの頃から見上げて育った
大銀杏の金色のそよぎの袂で、
『まどろみの島』から数篇を読みました。
秋の真下にたたずんでいる気持ちで。
そんな、ひととときをいただきました。
リーディングがあったのは、「3.11」の6日前。
それから多くの方々が、
受け入れがたい現実を目のあたりにしました。
詩のひとつの側面は日々の受け入れがたい現実を
言葉で受けとめる行為だと思います。
忘れてしまったり、見ないふりをしたり、悩んだり。
普段は通り過すぎてしまう小さな悲しみも、大いなる悲劇も、
きちんと丁寧に見つめて、言葉へと刻む。
そんな言葉のありようだと思います。
もちろん、笑いや、歓びも。
ここに引っ越してきて、
ひとつわかったことがあります。
田村隆一に『小鳥が笑った』という詩集があります。
この「小鳥が笑った」というフレーズ。
東京に住んでいたとき、ぼくは
詩人一流のレトリックだと思っていました。
今の季節、庭にはたくさんの野鳥がきます。
オリーブ色のカワラヒワにコジュウカラ、
ノビタキ、モズetc
朝から晩まで柿や菩提樹の蕾をめぐって、
かしましく啼いて、枝から枝へ陣取り合戦をします。
でも夜明けの数分間の歌声だけは、ちがいます。
のびやかでピースフルな、今日をはじめる小鳥たちの合唱。
ピール、ピルルル、ピーピー。チョッ、チョッ。
ほんとうに、鳥たちは笑っているのです。
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