2014年10月6日月曜日

Days of Poetry and Wine (15)〜Jackie Willsさんの現代イギリス詩人リスト




 スロヴェニアの最後の夜、英国の女性詩人ジャッキー・ウィルスさんから、現代イギリス詩人の直筆リストをもらった。アメリカの詩の大手出版社New Directionsでも活躍中の現代イギリス詩の俊英、James Byrneとも知遇を得たことから、三年以内を目処に、イギリスと日本でなにかプロジェクトをやろうという話になってきている。ジャッキーは「次に会ったときまでに、読んでおいてね」と、旬のイギリス・アイルランド詩人たちの名前や出版社の連絡先をくれたのだ。
 今回、スロヴェニアに行って痛感したのは、ここ二十年ばかり、日本の詩界に現代ヨーロッパ詩の潮流がほとんど届いていない、という事実だ。近年、「現代詩手帖」で特集された北欧、スロヴェニア以外は。それでも、北欧ならPeter MickwitzやAnn Jaderlundなど、若手や中堅の優れた詩人の名はあがってきていない。
 例えばフランスで最新鋭だったイヴ・ボヌフォアやジャック・レダは個人的に大好きだだけれど、いま欧州で勢いのある20~40代の詩人たちは、まったく別の詩を書いていると思う。ある時代に刻まれた詩の言葉がほんとうに〝終る〟ことができるか、さだかではない。それとは別に、いまの欧州詩の潮流は2000年代から劇的に変化してきているし、その動向も書かれる詩も、どこか日本の詩のシーンと重なっている。もちろん、アメリカ、東南アジアの詩も。
 そういった欧州、アメリカの詩のいまを紹介し、交流する仕事を今後、すこしずつ進めていきたい。もちろん、ぼくだけでなく、有志の詩人、詩的な仕事に携わる方々とともに。それが、ぼくが持ち帰った、いや、これから持ち帰るべき、スロヴェニア国際詩祭のいちばんのお土産かもしれない。

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