Astrid Alben
Dragana Mladenovic
石田瑞穂
朗読は原語でおこなわれ、スロヴェニア語訳と英訳(ぼくの英訳者は遠藤朋之さん)がスクリーンに映される。
Tomas Venclova
8/29の20:30、いよいよ大舞台がはじまった。Grand Poetry Readingは「詩とワインの日」の晴舞台。毎晩、各国の招待詩人が特設野外ステージに登場して、ポエトリー・リーディングを繰り広げる。8/29の夜は今年の"The honor poet"、トマス・ヴェンクローバー氏が登壇することもあって、とても注目されたステージだった。
イギリスの大手出版社Arc社の秘蔵っ子で、気鋭の女性詩人アストリッド・アルベンさんからステージがはじまり、ぼく、ドラガナさん、トマスさんの順。写真はアストリッドを除き、すべて写真家・赤阪友昭さんの撮影です。
聴衆はだいたい3~400人。しかも観客のためのワインもフリーだ。ステージ・セットも豪華。毎年GPRの模様は撮影が入り、テレビ放映され、DVDがBeletrina社からも発売されるそうだ。この詩祭、聴衆がほんとうにすばらしい。どの詩人も、朗読中の会場は水を打ったような静けさで、真剣に聴き、楽しんでくれていることが伝わる。
ぼくは「雪風」、「月の犬」、「夜釣り」を朗読。最後の二篇は声明つきで読み、東北に捧げる旨を英語で話した。ぼくの朗読の模様を赤阪さんが動画で撮影してくれたので、近日、「見えない波」公式ホームページにアップさせていただきたいと考えています(アップ時は本ブログでお知らせします)。
ドイツ人とのハーフのアストリッド、ドラガナの朗読もすばらしかった。トマスさんはご存知の方も多いだろう。リトアニアを代表する詩人であり、リトアニアの民主化を訴えたことでソ連国籍を剥奪され、1977年から91年まで国外追放。「リトアニアのオデュッセウス」と呼ばれた詩人だ。民主主義国家となったリトアニアから2000年にリトアニア国民栄誉賞を授与され、ノーベル文学賞候補にもノミネートされている。トマスの詩は、ロシア、ポーランド古典詩の豊かな素養に支えられた韻律によって書かれているという。ぼくらはしばし聞き惚れた。後で、サインと名刺をもらったのだけれど、それはアメリカのイエール大学のものだった。
そんなヨーロッパを代表する詩人たちと同じステージに立てたことを、こころから光栄に思う。もう二度とできない経験だろう。声明つきで詩を朗読している最中、会場にいた犬たちが遠吠えをはじめた。ぼくはステージ上で思わず、にやり。犬たちとの共演もここちよかった。ありがとう。
朗読後にアストリッド、ドラガナ、トマスとハイファイブ、握手。ステージを降りてもスロヴェニア、オーストリア、イギリスの詩人、聴衆、いろんな方々がハグしてくれた。
*
関西出張でここ数日、更新できませんでした。またぜひおつきあいください。
0 件のコメント:
コメントを投稿