去る11月8日日曜日、薩摩半島の南端にある知覧文化会館にて、「現代詩の祭典 in 南九州市」が開催。高岡修さん、山下久代さんらとともに、バスから見た桜島、錦江湾こと鹿児島湾の、うねるような光がとにかく美しかった。二日酔いも吹き飛ぶ。
川辺郡に属した知覧町は薩摩の小京都と名高い。格調ある武家屋敷と1036柱の石灯籠がならび、水路がはしる。ぼくには金沢を思いおこさせた。会館のエントランスでは、名産品の知覧茶を高校生が淹れてくれる。御当地キャラの「お茶むらい」と記念撮影。
南九州市長さんをはじめ、関係各位にご挨拶。2500篇もの応募があった文芸祭現代詩大会の審査員の宇宿一成氏、宮内洋子氏、渡辺めぐみさんにも挨拶。
知覧は、特攻隊で知られる知覧飛行場があった町でもある。知覧特攻平和会館を視察。ゼロ戦や遺品の展示もあるが、特攻平和会館を特徴づけているのは、「言葉」だろう。おびただしい数の絶筆や手紙、寄せ書きなどが展示されていて、当時の特攻隊員ひとりひとりの胸中の言葉を、いまに伝えている。軍の検閲もあったらしいが、胸に迫る、いい展示だった。
祭典のプログラムを紹介しておこう。
川辺フィルハーモニー管弦楽団による「フィンランディア」の演奏。
小中学生・一般の部公募作品表彰式。文部科学大臣賞など。
選評は最終審査員代表の高岡修さん。「文学が滅べば、国も滅びる」と、熱い。すばらしい選評。
知覧町連合青年団演劇部「劇団いぶき」による、知覧特攻隊員の言葉を題材にした朗読劇「留魂」。
和合亮一さんによる、詩の朗読。
城戸朱理さんを司会に、和合亮一さん、ぼくの鼎談「詩の現在、詩の未来」。
この祭典の内容については、レビューが掲載される可能性あるので、ここでは詳しくふれません。
ただ、さまざまなジャンルが交差しつつも、入賞した小学生たちの詩作品をふくめ、魂を洗濯してくれるような、胸に迫る演目ばかりだった、とだけいっておこう。涙腺がゆるみぱなしの午後だった。
観客数は600人ほどときく。この祭典がお披露目だった『耳の笹舟』をはじめ、ぼくの詩集も完売していただいた。
南九州市のみなさん、ほんとうに、ありがとうございました!こんどは、薩摩の小京都もゆっくり、めぐりたいです。
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