2014年10月10日金曜日

スロヴェニア朗読 ×「見えない波」:Poetry readings by Mizuho Ishida (moving images)

©Tomoaki Akasaka

 スロヴェニア国際詩祭「詩とワインの日」、グランド・ポエトリー・リーディングでのぼくの朗読動画が「見えない波」公式サイトにアップされています。この朗読は東北にささげられたもので、その旨が途中で英語によりアナウンスされています。
 下記アドレスから、ぜひアクセスしてください。撮影は写真家の赤阪友昭さんです。
    
  My poetry reading in Slovenja is now on the official web site of "the Invisible Waves" project. Please take a look at it! A movie is shot by my excellent friend photographer, Tomoaki Akasaka.

 http://invisiblewaves.jimdo.com/アーカイブ-archives/   

2014年10月8日水曜日

Days of Poetry and Wine (16)〜Friends in Slovenja


 右:Zaza Matjaz Juren


右:Aljosa Harlamov

 最後はFriendshipでしめくくりたいと思う。これまで「詩とワインの日」レポートにおつきあいくださり、ありがとうございました。いかがでしたか?おかげさまで、たくさんの方にお読みいただきました。
 トップの写真、LAドジャーズのキャップをかぶっているのが、ベルリン在住のスロヴェニア人ジャーナリストのZaza(ザザ)。すぐ上の写真は右がスロヴェニアの若き批評家Aljosa (アリョーシャ)。写真はここにないけれど、アリョーシャとザザは現代詩手帖にも登場したスロヴェニアの俊英女性詩人Katja Peratとともに詩の投稿サイトを組織していて、この日は授賞式が開かれていた。アリョーシャのように同世代のシーンを批評し、ひっぱることのできる書き手がいることは、とても貴重なことだと思う。日本の詩にもそんな若い批評家が現れんことを!(他力本願じゃあいけないでしょうが)


 右がおなじみ、Ales Steger。アレシュはイタリアの詩人から「キアヌ・リーブスみたい!」とはしゃがれていた。スロヴェニアはイケメンと美女の国。


 ワインセラーで働くフランツとお孫さんのマティアス。フランツからはスロヴェニアのワインについて、いろいろ教わった。スロヴェニアのワインの取引先は、アジアでは主に中国だという。フランツもワインも、いつか日本にきてほしい。


 左から、イタリアの詩人サラ、UKのアストリッド、つづいてジャッキー。才色兼備の詩人たち。ぼくはジャッキーが手巻きタバコをじつに手慣れた、年季の入った手つきでくるくる巻くのを見るのが大好きだった。


 GPRのステージの後、ぼくらはアレシュからお土産にもらったワインボトル二本をぶらさげて、カジノへ遊びにいった。カジノにいくまでに、ぜんぶまわし呑みしちゃったけれど。見えにくいけれど、中央がぼくです。友情のしるしにザザのLAドジャーズ・キャップとぼくのパナマ帽子を交換した。
 Thank you very much for all of you. I really miss you guys! See you soon!

2014年10月6日月曜日

Days of Poetry and Wine (15)〜Jackie Willsさんの現代イギリス詩人リスト




 スロヴェニアの最後の夜、英国の女性詩人ジャッキー・ウィルスさんから、現代イギリス詩人の直筆リストをもらった。アメリカの詩の大手出版社New Directionsでも活躍中の現代イギリス詩の俊英、James Byrneとも知遇を得たことから、三年以内を目処に、イギリスと日本でなにかプロジェクトをやろうという話になってきている。ジャッキーは「次に会ったときまでに、読んでおいてね」と、旬のイギリス・アイルランド詩人たちの名前や出版社の連絡先をくれたのだ。
 今回、スロヴェニアに行って痛感したのは、ここ二十年ばかり、日本の詩界に現代ヨーロッパ詩の潮流がほとんど届いていない、という事実だ。近年、「現代詩手帖」で特集された北欧、スロヴェニア以外は。それでも、北欧ならPeter MickwitzやAnn Jaderlundなど、若手や中堅の優れた詩人の名はあがってきていない。
 例えばフランスで最新鋭だったイヴ・ボヌフォアやジャック・レダは個人的に大好きだだけれど、いま欧州で勢いのある20~40代の詩人たちは、まったく別の詩を書いていると思う。ある時代に刻まれた詩の言葉がほんとうに〝終る〟ことができるか、さだかではない。それとは別に、いまの欧州詩の潮流は2000年代から劇的に変化してきているし、その動向も書かれる詩も、どこか日本の詩のシーンと重なっている。もちろん、アメリカ、東南アジアの詩も。
 そういった欧州、アメリカの詩のいまを紹介し、交流する仕事を今後、すこしずつ進めていきたい。もちろん、ぼくだけでなく、有志の詩人、詩的な仕事に携わる方々とともに。それが、ぼくが持ち帰った、いや、これから持ち帰るべき、スロヴェニア国際詩祭のいちばんのお土産かもしれない。

2014年10月3日金曜日

Days of Poetry and Wine (14)〜A Night of Grand Poetry Reading



Astrid Alben


Dragana Mladenovic


石田瑞穂


 朗読は原語でおこなわれ、スロヴェニア語訳と英訳(ぼくの英訳者は遠藤朋之さん)がスクリーンに映される。


Tomas Venclova 

 8/29の20:30、いよいよ大舞台がはじまった。Grand Poetry Readingは「詩とワインの日」の晴舞台。毎晩、各国の招待詩人が特設野外ステージに登場して、ポエトリー・リーディングを繰り広げる。8/29の夜は今年の"The honor poet"、トマス・ヴェンクローバー氏が登壇することもあって、とても注目されたステージだった。
 イギリスの大手出版社Arc社の秘蔵っ子で、気鋭の女性詩人アストリッド・アルベンさんからステージがはじまり、ぼく、ドラガナさん、トマスさんの順。写真はアストリッドを除き、すべて写真家・赤阪友昭さんの撮影です。
 聴衆はだいたい3~400人。しかも観客のためのワインもフリーだ。ステージ・セットも豪華。毎年GPRの模様は撮影が入り、テレビ放映され、DVDがBeletrina社からも発売されるそうだ。この詩祭、聴衆がほんとうにすばらしい。どの詩人も、朗読中の会場は水を打ったような静けさで、真剣に聴き、楽しんでくれていることが伝わる。
 ぼくは「雪風」、「月の犬」、「夜釣り」を朗読。最後の二篇は声明つきで読み、東北に捧げる旨を英語で話した。ぼくの朗読の模様を赤阪さんが動画で撮影してくれたので、近日、「見えない波」公式ホームページにアップさせていただきたいと考えています(アップ時は本ブログでお知らせします)。
 ドイツ人とのハーフのアストリッド、ドラガナの朗読もすばらしかった。トマスさんはご存知の方も多いだろう。リトアニアを代表する詩人であり、リトアニアの民主化を訴えたことでソ連国籍を剥奪され、1977年から91年まで国外追放。「リトアニアのオデュッセウス」と呼ばれた詩人だ。民主主義国家となったリトアニアから2000年にリトアニア国民栄誉賞を授与され、ノーベル文学賞候補にもノミネートされている。トマスの詩は、ロシア、ポーランド古典詩の豊かな素養に支えられた韻律によって書かれているという。ぼくらはしばし聞き惚れた。後で、サインと名刺をもらったのだけれど、それはアメリカのイエール大学のものだった。
 そんなヨーロッパを代表する詩人たちと同じステージに立てたことを、こころから光栄に思う。もう二度とできない経験だろう。声明つきで詩を朗読している最中、会場にいた犬たちが遠吠えをはじめた。ぼくはステージ上で思わず、にやり。犬たちとの共演もここちよかった。ありがとう。
 朗読後にアストリッド、ドラガナ、トマスとハイファイブ、握手。ステージを降りてもスロヴェニア、オーストリア、イギリスの詩人、聴衆、いろんな方々がハグしてくれた。
*
関西出張でここ数日、更新できませんでした。またぜひおつきあいください。

2014年9月27日土曜日

Days of Poetry and Wine (13)〜クロアチアでの朗読会


 8/28の夕方、クロアチア国境をこえてCakovecに入る。Nikola Zrinski Libraryでの朗読とトークのためだ。国境での検問が厳しく、30分も遅れてしまった。 



 出演メンバーは左から、Dragana Mladenovicさん、ぼく、そしてCvetka Lipusさん。啓次郎さんと友さん(上の写真2点は友さんの撮影)も応援に来てくださった。
 Cvetkaさんはスロヴェニアとオーストリー国境近くの出身で、まさに多文化・多言語を体現するような詩人。受賞歴も多く、仕事で10年以上暮らしたアメリカでもその名が知られている。彼女は会場に着くなり、テレビ局からインタヴューを受けていた。

 


 さっそくリーディングと簡単なトークがはじまる。周知のようにクロアチアはユーゴスラビア紛争の戦地だった国。ここには掲載しないけれど、街には戦没者慰霊碑がそこここにある。没年は90年代が多く、みな20代~40代。じつは上の写真のドラガナの故郷、セルビア共和国もユーゴ紛争の戦地だった。今回の詩際で彼女が朗読した詩は戦死者やレイプ被害者などをテーマにした作品が多い。彼女にとって、戦争は日常の悲劇だったのだ。
 ドラガナが詩を読むと、前席にいた夫婦が手をつなぎ、涙を流していた。50代ぐらいの二人だったが、戦争で息子さんを亡くされたのだった。


 リーディング後に「日本のポップカルチャーに興味がある」という女子中学生と話した。新しい世代が確実に育ってきている。


 コーディネートしてくれた図書館の司書さんに案内され、すこし街を歩く。中世の建物のなかに現れたのは、日本の公団アパートのようなビル。ソ連時代の名残りだとか。
 日本から来たぼくは、戦争の生々しい記憶をもつクロアチアの人々にとって、やや部外者だったかもしれない。でも、ぼくにとってこのちいさな朗読会は、ここに来なければできない、貴重な経験だった。
 夕闇に沈みかけたクロアチアの街を歩きながら、ほんとうの詩とは、言葉の力とはなにか、しばし物思いにふけった。


2014年9月26日金曜日

Days of Poetry and Wine (12)〜ワインセラーで朗読会を




 写真右:セルヴィアの女性詩人ドラガナ・ムラデノヴィク(Dragana Mladenovic)さん


 詩祭でほんとうによく呑んだ、プトゥイ地産のオーガニック・ワイン「プリュス」。


 詩人とファンの交流会を兼ねたプライヴェート・リーディング。グラート(城)の庭をはじめ、プトゥイ街中のさまざまな場所で連日開催されるのだが、ぼくはセルヴィアの女性詩人ドラガナ・ムラデノヴィク(Dragana Mladenovic)さんの回にお邪魔した。
 ところはHotel Mitraの地下にあるワインセラー。前にも書いたように、詩祭ではすべてのワインが無料であり、ドラガナの詩とトークに聴き入りながら、グラスを傾ける。
 ドラガナは今回の詩祭でも注目されていた詩人のひとりで、静かだがとても真摯で芯のある女性。ドイツでBAを授与されており、英語も堪能。すぐに仲良くなった。
 彼女とはクロアチアでもリーディングを一緒にしたのだが、その話はまた明日以降の更新で。それにしても、ワインセラーでリーディングなんて、詩人の夢だよね。日本でもどなたか、ぼくにチャンスをくれないだろうか。

2014年9月24日水曜日

Days of Poetry and Wine (11)〜スロヴェニアの郷土料理その1


 お待たせしました。スロヴェニアのグルメ、第一弾。前にブログでも書いたように、スロヴェニアは西にイタリア、北にオーストリア、北東にハンガリー、南はアドリア海文化から料理もアートも影響を受けている。
 上の写真は、オーストリアから影響を受けた、クメチュカ・ポイェディナ(kumecka pojedina)という料理。豚のロースト、ソーセジなどの盛り合わせなのだ。肉とカトラリーの大きさを比較してみてください。これで二人前なんだけれど、日本人にとっては四人前はあった。スロヴェニア中央部の農家料理だそうで、ドイツやハンガリーを旅した方なら、なんとなく、アイツバインに似ていると思われるだろう。


 添えてあったのは、カラスムギ、豆とクスクスを炊いたもの。ぼくの好みでした。


 そしてこれも典型的なスロヴェニア料理。オクトパス・フリット(kalamari)。イタリア、アドリア海文化からの影響、というか、まんまイタリアンですね。
 西のお隣が南イタリアだけあって、スロヴェニアにはおいしいイタリアン・レストランが多い。しかも、本国イタリアより安いので、国境付近のイタリア人はけっこうスロヴェニア側に出向いて食べるのだそう。なんだか不思議な話。サービスに食後酒をだしてくれたのだが、これがスロヴェニア産のグラッパ。
 友さん、啓次郎さん、ぼくの三人でこの他にも食べ、呑んだのだが、全部で60ユーロぐらい。スロヴェニア、おそろしい子!