和歌山県 那智勝浦の鮪の握り
ホオホオの板じめ
愛知のシャコ蒸し
子もちヤリイカの煮付け
冷やし鉢
フグの白子 炊き寄せ
穴子の子
愛知のアオヤギ
鹿児島のアジと桜島大根のかわり握り
明石の桜鯛と海老の握り
*
日曜日の夜のこと。
クリエイターの先輩たちがH氏賞受賞の
お祝い膳をふるまってくださいました。
浦和玉蔵院の天然記念物「大しだれ桜」を見た後
浦和駅東口近くの寿司屋「よし佳」(よしか)へ。
あくまで私見ながら
さいたま市一(本音は県内一、といいたい)の
お寿司屋さんだとおもう。
都内で修行されていたマスターは
毎朝、築地まで仕入れに。
風貌は入道のようだけれども
物腰は柔和
料理をだしてくれるときは必ず
「失礼いたします」と
折り目正しく声をかけてくれる。
入口外観はふつうの寿司屋さんですが
店内は白木のカウンターのみ
清潔にして清浄。
マスターのお人柄なのか
休日ともあって家族連れが多かった。
その夜は、おつまみを多めに
握りを少なめにした「おまかせ」を頼む。
山葵だけで食べる明石産の煮蛸を皮切りに
塩で食う氷じめ帆立、シャコ蒸しなど
おつまみだけでも8品ほど。
ホオホオの板じめは薄身だが
ねっとりした舌触りと歯ごたえが
春魚の醍醐味であって、こたえられない。
サービスでだしてくれた穴子の子酢物は
透明でこりっこり。
この時期、穴子は産卵期で
身はたいして旨くなく
よって、だせないとのこと。
写真はないけれど
「これが本物の絹ごし豆腐」もでた。
京都御所秘蔵のレシピを再現したもので
胡麻豆腐と見紛うほどの
ねっとりとしたコクがある。
冷やし鉢のたれになっているのが、それ。
昔の絹ごし豆腐って、こんなに濃かったのか。
マスターは「すし研究会」や
「和食研究会」の会員でもある。
握りは、かわり種の
鹿児島鰺と桜島大根酢漬け
とろっとした鰺と酢漬け大根の組み合わせが
桜のような香しさを運んでくれて
まさに春の風味。
明石の桜鯛は
明石海峡を回遊しながら身が
自然と引きしまり
肌身が薄いピンクに染まる。
大味の鯛より、こちらのほうが
しゃりには合うとおもう。
〆の握りは、日本鮪の捕れる最南端
那智勝浦の赤身と大トロ。
赤身は寝かして四日目のもので
鉄分値が最大になる。
大トロは八日間寝かしたもの。
しゃりは、ササニシキの新米と
古米をブレンドしているという。
お客さんによって空気分も調節。
「寿司屋で腹いっぱいになるなんて
なかなかないでしょう」とマスター。
一同、とにかく満腹、お会計も
「都内の三分の二ぐらいじゃない?」
酒をひとり三本ぐらい飲んで一万二千円ちょい。
先輩方、浦和まできてくれて
ほんとうに、ありがとう。
桜と春の寿司と二十年の淡交に感謝。
大満足の一夜でした。
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