5月10日発売の「文藝春秋」六月号に詩が掲載されました。機会がありましたら、ぜひお読みください。
10行の詩で、タイトルは「In the Year of the Dragon」。いま、ぼくが滞在した1991から92年のアメリカを舞台に「Asian Dream」という連作詩を書いている。その年は、イランイラク戦争、通称「湾岸戦争」が勃発した年。戦争下にある国で、ぼくは十代の一年半をすごした。
この連作のタイトルは、当時、ぼくが大好きできいていたジャズの曲名をそのまま使わせてもらっている。もちろん、曲をききながら詩も楽しんでいただけるよう書いているつもりなので、ぜひ、YouTubeなどで検索してみてください。アルバムをお持ちの方は、願ったり叶ったり。連作詩「Asian Dream」は今年から書きはじめたのだが、掲載は今作で四篇目。
今回の詩は、セロニアス・モンクやサン・ラの影響を強く受けたと思しき女性ピアニスト、ジェリ・アレンの同名アルバムが出典。レーベルは、いまはもうないJMTというかなりとんがった、面白いレコード会社だった。
Geri Allen-piano; Charlie Haden-bass; Paul Motian; Drums.
というメンバー。曲は、ポール・モチアンのオリジナル・ナンバー。審美的としかいいようのない、モチアンらしいバラードです。いつも詩作品の末尾にクレジットを付記しているのだけれど、今回は誌面の都合により、ここに記しておきました。
昨年、惜しくも、ベースの巨匠、チャーリー・ヘイデンが亡くなり、またモチアンもいない。ちなみに、モチアンはモシャンとアメリカでは発音していた。いわずもがな、ほんとうに、ふたりはすばらしいミュージシャンだった。もちろん、人間はいつかこの世を去る存在だが、それでもティーンのときにあれだけ夢中になったミュージシャンがもういないのだと思うと、信じられない気持ちになる。ここに、哀悼の意をささげたい。
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