青山での打ち合わせが早めに済み、ちょうど一澤帆布のトートバックを持っていたので、本の町、神保町へ。
すくなくとも月一で詣でるべきだけど、なかなか時間がとれず、二カ月ぶりの古書店めぐり。今回は書き下ろしの本のための資料、昭和後期、平成の詩論集を買うのが目的だった。小宮山書店で大岡信『現代の詩人たち』上・下巻、田村書店で粟津則雄『詩の意味』などを購入。どちらも墨書署名入りでした。詩論集ではないけれど、おお!とつい手にとったのが、書肆山田の「草子」シリーズのたぶんコンプ。
この「書き下ろし叢書」シリーズは、各号が個人特集になっており、ぼくにとっては伝説の叢書シリーズだった。面白いのは、装丁。下写真でご覧のように、リブレットは背で綴じらておらず、一見ページが不規則に並んだまま、一枚の紙のようにひろがる。これは、本文を印刷し、裁断するまえのシートをそのまま八つ折りしてあるからで、読むときはページ番号を追ってあちこち視線を彷徨わせる仕掛け。同世代の叢書ではないだけに、長らく垂涎の的だった。ぼくの世代でも、その存在を知る詩人はすくないだろう。1号は瀧口修造「足と砂と 日録抄」。もちろん、これも貴重な資料だ。
うれしくて、新築された「神田やぶ」に入り、まずビールと練り味噌で乾杯。つづいて、日本酒とあいやき(合鴨と根深、長葱を鴨の油でいためたおつまみ)をお供に戦利品を読み耽る。お銚子が三本あくころ読みおえた。さいごは、蕎麦つゆを味わうためのせいろで〆。
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