2015年11月6日金曜日

国民文化祭・かごしま2015へ


   写真家の赤阪友昭さんから、『耳の笹舟』のお礼状をいただく。

   手づくりのカードに貼付してあったのは、アラスカの作家の作品。「鳥の影に見えるのは、ワタリガラスです」との由。さまざまな野鳥が登場する本詩集への、連想もあるのだろうか。

    また、拙詩集へのお礼状やお手紙を、他の方々からもいただいております。この場をかりて、お礼を申し上げます。

    そのワタリガラスたちとともに、明日からは、知覧で開催される国民文化祭のため、鹿児島へ飛ぶ。 11月8日は、詩人の城戸朱理さん、和合亮一さん、そして鹿児島の詩人といえばご存知、高岡修さんとともに登壇する。

    ブログは11月12日までお休みの予定です。再開しましたら、ぜひおつきあいください。    

2015年11月4日水曜日

秋の大山へ






   田村隆一の『緑の思想』に「水」という詩がある。

   
      どんな死も中断にすぎない
      詩は「完成」の放棄だ

      神奈川県大山のふもとで
      水を飲んだら

      匂いがあって味があって
      音まできこえる

      詩は本質的に定型なのだ
      どんな人生にも頭韻と脚韻がある

 
   その大山に一泊二日でいった。あたご滝のバス停から歩いてすぐの旅館「東學坊」に宿泊。透明無臭の天然温泉につかり、大山の「水」でつくった、地酒と名物の豆腐料理で一杯。

    丹沢山系の水はあまい、あまい水。持病の耳鳴りも、湯とせせらぎのなかに溶け落ちてゆく。

    翌日はあいにくの雨。リニューアルされた大山登山鉄道にのって、阿夫利神社下社に参拝。
    
   紅葉は、ケヤキがきれい。カエデが燃えているころ、水はどんな味と音がするのだろう。

2015年10月31日土曜日

ワタリウム「JRの映像展 24fps」


   東京青山はワタリウム美術館の次回展示、「JRの映像展24fps」に翻訳協力をさせていただいた。
    ぜひ、お立ち寄りください。


    今週は『地形と気象』イベントのほか、東洋大学学園祭での講演、詩人の田中庸介さん主催のポエトリーマガジン「妃」のイベントに顔をだしたり、詩の催しがつづいた(上記、後ほどブログにアップします)。

    フランスの現代美術作家JRの展示は、11月7日がオープン二ング上映会。ぼくも招かれていたのだが、鹿児島は知覧での国民文化祭に出演するため、いけない。

    年末まで、イベントや大学での講義がつづく。エキサイティング!でも、打ち上げやパーティで呑みすぎないようにしないと。
    みなさんも、文化の秋をお楽しみください。

2015年10月30日金曜日

『耳の笹舟』、明日、刊行


   ぼくの第三詩集『耳の笹舟』が、明日、刊行になります。

   よろしければ、ぜひ、お手にとってみてください。

   装幀は、前詩集『まどろみの島』につづいて、奥定泰之さん。手にしていただければわかりますが、じつにこころにくい仕掛けがあります。自分でいうのもなんですが、美しいだけでなく、深さのある装幀の仕事ではないでしょうか。これはすべて、装幀家・奥定泰之さんのお力。

    本文は特色の黒、だろうか。光のもとだと、ほんのかすかに、濃い藍に傾くのだ。

    奥定さんの装幀に、詩の言葉が釣り合ってくれればと、願うばかりです。

    英訳タイトルは、ご存知、アメリカ現代詩学者の遠藤朋之さん。この場でお礼を申し上げます。

    通常詩集の1・5倍の行数はあるだろう、今詩集。入稿時は、手書きの原稿用紙で二百枚近かった。紙幅の関係で、それをさらに三分の二ぐらいまで、絞り込まざるをえなかったのだけれど。
    海外で翻訳発表されても、(なんと)いまだ日本語で発表されていない連作詩篇も、けっこうでてしまった。
    ゆえに、さまざまな方にお世話になった詩集です。編集に携わっていただいた、思潮社の高木総編集長と出本さん、こころよりお礼を申し上げます。

    この本の笹舟が、これからどこへ漂いでてゆくのか。楽しみです。

2015年10月28日水曜日

11/27は新詩集刊行記念イベント


   『地形と気象』イベントにつづき、来たる11月27日、下北沢の本とビールのお店「B&B」さんにて、イベントに出演します。

   もうすぐ、10月31日刊行のぼくの新詩集『耳の笹舟』と、佐峰存さんの第一詩集『対岸へと』の刊行記念イベントが、ゲストにいまもっとも注目されている若手詩人のひとり、岡本啓さんを加え、版元の思潮社さんの主催で開催。

    「現代詩手帖」11月号にも告知がでると思いますが、リンクは「B&B」さんの告知です。


   写真は、できたての、『対岸へと』。カバーアートは東京の湾岸のようでもあり、ニューヨークのようでもあり、境界が溶けあった、刺激的なコラージュ作品になっている。帯に「越境のトポス」とあるように。   

    詩人の野村喜和夫さんとともに、不詳、このぼくが『対岸へと』の栞文を書かせてもらったご縁で、今回のイベントの話がきたのだった。

    じつは今週の月曜日に、佐峰さんとはじめてお会いしてきた。場所は、秋葉原。とんかつ呑みをしながら、おなじ店で四時間ちかく話しこんでしまった。

    ソフトな声調で、とてもていねいな話し方をされる佐峰さんは、小学生のころに渡米。大学卒業まで、アメリカに在住されていた。大学は文学と批評のメッカ、イェール大学。ただし、国際政治学が専門だったとの由。

    佐峰さんが長らく滞在された、ニューヨークシティ郊外のロングアイランドのこと。911とイラク戦争。急速に右傾化する日本。日本文学とアメリカ文学。詩の話のみならず、佐峰さんとは、いまの国際政治の話でも、たいへん盛り上がった。それこそ、一本のイベントのごとく、とことん話しあったのだった。午後十一時。とんかつやの看板娘さんに、「もう、(いいかげんに)閉店ですから」と退出をうながされるまで。

    佐峰存という詩人。またひとり、ユニークで力のある若手がデビューしたと思う。
    いまからイベントが、楽しみ。

2015年10月24日土曜日

『地形と気象』イベント・レポート



写真    左から、詩人の暁方ミセイさん、管啓次郎さん、大崎清夏さん


    10月24日土曜日、左右社ホームページで連載中の定型リレー詩『地形と気象』の「中間報告会」が、下北沢のすてきな書店「B&B」で開催されました。
    『地形と気象』は、こちらから。


    ご来場のみなさま、ありがとうございました。

    さいきん、書籍化も検討されていることが判明したこのプロジェクト。左右社の編集子Tさんがパイロット版の特製リブレットを配布。

    はじめに、メンバー全員が、ディレクターである大崎清夏さんのiPad miniをまわし読みしながら、朗読。声にだして読んでゆくと、あらためて緊密感があるなと思う。それから、リレー詩にも登場する地形と気象、旅の話、創作秘話を披露。ミセイさんのチベット、啓次郎さんのカリフォルニア、そして清夏さんのつい最近のリトアニア。

    約十ヶ月、ともに書き綴ってきたわけだけれど、清夏さんが「連詩ははじめて」ときいて、いまさら、おどろいた。清夏さんの次がぼくの番なのだが、偉達だと思っていたので。即興性の高い連詩の場で、つねに安心して読める安定感と、瑞々しくフレッシュな感性と発想をキープする詩行は、さすが大崎清夏と、唸されたものだ。

    そばで啓次郎さんの朗読をきいて、あらためて気づいたこともある。現代詩は声にだしてきくとその意味がとれないことが多い。もちろん、それが悪いとはいわないけど。でも、啓次郎さんの詩の場合、詩的言語がそのままで明晰さを保持しており、きいているだけでも十二分に楽しめる。「見えない波」ツアーのときも同様で、ロンドンでは観客の女性が彼の英訳詩をきいただけで、とてもよかったと感想を述べにきていた。そして、このことは、詩が散文脈で書かれているか否かの問題ともちがう。書き手としての練度?
    啓次郎さんの詩的言語が、現代詩の書き手のそれと組成を異にしていることが、声からもききとれた。

    暁方ミセイという、詩人。するどい切り返しと、だれにも真似できない彼女自身の詩世界は、いつもリレー詩の全体を遠くへ、予期しなかった道標まで導いてくれる。

    お三方は、ぼくにとって、いまもっとも一緒にプロジェクトをしてみたい詩人。そして、このリレー詩はぼくにとって、すばらしいマスタークラスになっている。三詩人は、ぼくの先生でもあるのだ。

   会場には、詩人の田中庸介さん、そして、いま「現代詩手帖」投稿欄で活躍中の鈴木澪さんも足を運んでくださった。

    このリレー詩には、日本在住の文学研究者にして詩人Jeffry Johnsonさんによる英訳がある。リレー詩と英訳が完成したら、国内イベントとともに、海外イベントも企画されています。
    そして、下北イベントでは、啓次郎さんのハプニング的な発案で、フルメンバー本人たちによる英訳バージョンの朗読もあったのだった、、。

   さて、じつは、このイベントで、ぼくは致命的な発言をしてしまう。

   リレー詩メンバーは反デカルト的なこころやさしいアニミストなので、さまざまな動植物が重要な役割を果たすことになる。なかでも、犬。

    トークでも、詩人たちは犬派か猫派か、という話題になった。

    ぼくはその質問にたいし、「やっぱり、ぼくは猫派かなぁ。しなやかでもふもふだし、いいにおいだしね」と答えたのだ。

    そして、イベント翌日。

    おお、類稀な智慧と愛嬌を身につけたチョコ・ラブラドールにして、わが家の愛犬ハンナ。彼女の、なんと、冷ややかで怒りと侮蔑にみちた瞳が、ぼくにじっとそそがれていたことか。

    かの淑女は、ぼくがいくら犬用ビスケットでご機嫌をとろうと、鼻面をクンとうえにあげ、お手も、おすわりも、いちどたりともしないのだった。

2015年10月23日金曜日

明日は『地形と気象』イベント!


    左右社ホームページで連載中の定型リレー詩『地形と気象』、ぼくの番の「#44」が掲載されました。
    ぜひお読みください。


     そして、ついに明日は東京下北沢の本とビールのお店「B&B」にて、15時よりイベント開催!

     詩人の暁方ミセイさん、大崎清夏さん、管啓次郎さん、ぼくのフルメンバーで出演します。
    朗読、連詩秘話、大崎さんのリトアニアのお話など、もりだくさん!

     詳細はこちらから、


    ご来場ください!