写真 左から、詩人の暁方ミセイさん、管啓次郎さん、大崎清夏さん
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10月24日土曜日、左右社ホームページで連載中の定型リレー詩『地形と気象』の「中間報告会」が、下北沢のすてきな書店「B&B」で開催されました。
『地形と気象』は、こちらから。
ご来場のみなさま、ありがとうございました。
さいきん、書籍化も検討されていることが判明したこのプロジェクト。左右社の編集子Tさんがパイロット版の特製リブレットを配布。
はじめに、メンバー全員が、ディレクターである大崎清夏さんのiPad miniをまわし読みしながら、朗読。声にだして読んでゆくと、あらためて緊密感があるなと思う。それから、リレー詩にも登場する地形と気象、旅の話、創作秘話を披露。ミセイさんのチベット、啓次郎さんのカリフォルニア、そして清夏さんのつい最近のリトアニア。
約十ヶ月、ともに書き綴ってきたわけだけれど、清夏さんが「連詩ははじめて」ときいて、いまさら、おどろいた。清夏さんの次がぼくの番なのだが、偉達だと思っていたので。即興性の高い連詩の場で、つねに安心して読める安定感と、瑞々しくフレッシュな感性と発想をキープする詩行は、さすが大崎清夏と、唸されたものだ。
そばで啓次郎さんの朗読をきいて、あらためて気づいたこともある。現代詩は声にだしてきくとその意味がとれないことが多い。もちろん、それが悪いとはいわないけど。でも、啓次郎さんの詩の場合、詩的言語がそのままで明晰さを保持しており、きいているだけでも十二分に楽しめる。「見えない波」ツアーのときも同様で、ロンドンでは観客の女性が彼の英訳詩をきいただけで、とてもよかったと感想を述べにきていた。そして、このことは、詩が散文脈で書かれているか否かの問題ともちがう。書き手としての練度?
啓次郎さんの詩的言語が、現代詩の書き手のそれと組成を異にしていることが、声からもききとれた。
暁方ミセイという、詩人。するどい切り返しと、だれにも真似できない彼女自身の詩世界は、いつもリレー詩の全体を遠くへ、予期しなかった道標まで導いてくれる。
お三方は、ぼくにとって、いまもっとも一緒にプロジェクトをしてみたい詩人。そして、このリレー詩はぼくにとって、すばらしいマスタークラスになっている。三詩人は、ぼくの先生でもあるのだ。
会場には、詩人の田中庸介さん、そして、いま「現代詩手帖」投稿欄で活躍中の鈴木澪さんも足を運んでくださった。
このリレー詩には、日本在住の文学研究者にして詩人Jeffry Johnsonさんによる英訳がある。リレー詩と英訳が完成したら、国内イベントとともに、海外イベントも企画されています。
そして、下北イベントでは、啓次郎さんのハプニング的な発案で、フルメンバー本人たちによる英訳バージョンの朗読もあったのだった、、。
さて、じつは、このイベントで、ぼくは致命的な発言をしてしまう。
リレー詩メンバーは反デカルト的なこころやさしいアニミストなので、さまざまな動植物が重要な役割を果たすことになる。なかでも、犬。
トークでも、詩人たちは犬派か猫派か、という話題になった。
ぼくはその質問にたいし、「やっぱり、ぼくは猫派かなぁ。しなやかでもふもふだし、いいにおいだしね」と答えたのだ。
そして、イベント翌日。
おお、類稀な智慧と愛嬌を身につけたチョコ・ラブラドールにして、わが家の愛犬ハンナ。彼女の、なんと、冷ややかで怒りと侮蔑にみちた瞳が、ぼくにじっとそそがれていたことか。
かの淑女は、ぼくがいくら犬用ビスケットでご機嫌をとろうと、鼻面をクンとうえにあげ、お手も、おすわりも、いちどたりともしないのだった。
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