2016年1月3日日曜日

見沼の雑煮



   お正月、いかがおすごしでしたでしょう?ぼくは、2日から仕事   苦笑

    元旦は家のちかくの女氷川神社にお参り。女神・奇稲田姫命を御神体として祀る、関東でもめずらしい女躰神社で、関東一ノ宮氷川神社、中川の中氷川神社の系列でもある。社殿を新築したのだけれど、三百五十年前の偉容にもどしたのだとか。これも、リニューアル?

    写真上は、妻がつくったお雑煮。八頭、人参、葱、のし餅とひき餅。つゆは、だしとしょう油だけで味をつける。餅は見沼のもち米を臼と杵でついたもの。水をふくめ、見沼産でないものは、しょう油とだしぐらい。昨年は八頭が不作だったらしいけど。
    うつわは土楽窯、福森雅武さんの向付。

    写真下は、ぼくがくらす田園。枝は関東屈指の桜並木のさくら。朝七時に家をでて仕事場にむかう。セキレイ、ジョウビタキ、ツグミの鳴き声。川にはカモ、そしてカワセミの瑠璃色の残光。
   ことしも自然とともに生き、生かされる日々を実感する一年になりそうだ。それは、とても、幸福なことだと思う。

2016年1月1日金曜日

謹賀新年2016



    新年あけまして、おめでとうございます。

    写真上は、ぼくの2016年書き初め。下は、義理のお母さんからのお土産。フランスはアルザスの民芸品だそう。

    日本とフランスの、友好を願って。

    昨年は、新詩集『耳の笹舟』(思潮社)の刊行をはじめ、詩人の暁方ミセイさん、大崎清夏さん、管啓次郎さんとの定型リレー詩プロジェクト『地形と気象』(左右社)、画家グサビエとのパリでの朗読、大阪の「ギャラリー・サイ」で開催された写真家・赤阪友昭さんとのデュオ展「Uisce Agus Loch」、鹿児島は知覧で開催された国民文化祭「現代詩の祭典 in 南九州」など、もりだくさんの一年だった。イベントの出演は16回。
    今年は「Uisce Agus Loch」の第二弾、『地形と気象』の書籍化、そして、「見えない波」の第二波も、いよいよはじまります。

    本年もどうぞよろしくお願いします!

    みなさんの一年が、どうか、平安で、実りある、佳き一年でありますように。

2015年12月28日月曜日

囲む会のプレゼント





    昨日、今年さいごのイベントが、青山のステーショナリー「書斎館」で開催されました。おこしいただいたみなさま、ありがとうございました!

   会は、いわゆるプライベート・リーディング。朗読と、珈琲を飲みながらのゆったりとした茶話会。
   『耳の笹舟』の出版祝いで、内内で囲む会をひらきたいという申し出をいただいたのが、先月。限定二十名のちいさな催しになった。

    会のおわりに、「この万年筆で、『Asian Dream』を書いてください」と、連名でペンをプレゼントしていただいた。でも、ペンにしては大きな箱で、ずっしりと重い。自宅に帰って、包装をほどくと、びっくり。上の写真、「福」の文字がはいった豪華な木箱。しかけ細工が施してあり、パズルめいた蓋をあけると、なかからインク壺とペンがでてきた。

    ペンは、パーカー・デュオフォールドの限定モデル「福   チャイナレッド・リミテッドエディション」。透明感のある深紅のエボナイトボディ。キャップトップには祥雲と、さかさに「福」という漢字ロゴが篆刻されている。24金のペン先には、やはり「福」と、限定1399本中の「1116」とシリアルナンバーが打ってある。

    原稿は手書きで、PCさえもっていない、ぼく。『耳の笹舟』の原稿は全篇、H氏賞の受賞祝いに親戚からいただいたファーバーカステルの銀軸の万年筆で書いた。   
    パーカーの書き味は、ドイツ産のファーバーにくらべると、やや大味。とはいえ、すばらしく書きやすい。毛筆のごとく、書き味はかるくなめらか。右手指先にフィットして、重さ、バランスもいい。生産国はイギリス。
    附属のインクは、パーカー「ペンマン」のブラック。もう生産されていないインクで、オフィシャルのブラックより、濃厚な墨色をしている。

    なんだか、えらいペンをいただいてしまった。プレゼントをしてくださった、代表の下田さん、サワコさん、クッシーさん、古川さん、瀧澤さん、ほんとうに、光栄です。そして、囲む会をひらいてくださったみなさま、こころよりお礼を申し上げます。

    会のあとは、南青山のフレンチ「フィガロ」に連れていっていただく。緊張もしたが、たのしく、美味しく食事とワインをいただき、話もはずんだ。 
   この幸福な夕べを胸にきざみ、また明日からがんばってゆきたい。

2015年12月24日木曜日

Menu de Noel 2015





   クリスマスの夜。銀座で打ち合わせをおえると、桜木町へ。

   アベックたちをさけて、いつものグランドホテルのバーへゆく。誤算。人気のないはずのバーは、三十分ほどまたないと、はいれない。
   それでも、錆色に枯れてゆく海をながめながら、トニック、マティーニ、それから写真のオールドパー・スーペリア。

    仕事帰りの妻とまちあわせて、茅ヶ崎の隠れフレンチ・ジャポネーズ、「ル・タロー」で食事。
    シェフのタローさんがカウンターの目のまえで腕をふるう。テーブル席はない。コースのみで、毎晩、八組だけサーブする。

   フランス産キャビアとコンソメクリームロワイヤルからはじまり、スコットランド産サーモンと冬瓜のテリーヌ、写真のトリュフソースのかかったあたたかいフォアグラのプディング、オマール海老と帆立貝のパイじたてアメリケヌソース、など九皿。

   タローさんは、南フランスの都市、ナントから内陸にはいったロワール川近郊の村々のホテルやレストランで修行されたのだとか。ジビエはもちろん、ロワール地方料理にもくわしい。異色の経歴をもつシェフだと思う。
    そういえば、最近の腕ききのシェフたちは、大都市の星つきレストランやホテルだけで修行することを善しとしない。
    ペリゴール地方出身でミッテラン大統領の料理人をつとめた女性シェフ、ダニエル・デルブシュがそうだけれど、地方の伝統的なフランス料理に回帰するようなところもある。

    タローさんにロワール地方の代表的な料理は?ときくと、「カワマス料理ですね」という答えだった。一メートルぐらいある川魚で、日本で食用のものはほとんどきかないという。空輸をすると、一尾4〜5万円だとか。

    シェフ、居合わせたお客さんどうしもたのしく会話がはずむ。コースがいっせいに終了したのは、22時ちかく。みなさん、シェフに招かれた、ノエルの食事につどう親戚家族のような雰囲気だった。こんなレストランが、茅ヶ崎にあるなんて。

    そして、毎年のようにISによるテロの危機にさらされている、友人もおおいパリで、今年のノエルはみんなどうすごしているのだろう。和気藹々とした雰囲気のなかで、フランスの平和を祈らずにはいられない。

    Merry Xmas!!

2015年12月23日水曜日

温泉と「塩そば」



    二週間ぶりの休日は、詩人の温泉コースにすることにした。

   写真は春日部の「麺や   豊」さんの新メニュー、「塩そば」。

    スープは名古屋コーチンの丸鶏と赤鶏の生トリガラをメインに、香菜をくわえ、乾物、淡路島の藻塩、ポルチーニ茸オイルで仕上げたのだとか。

    たれをつかわないハーブと胡椒と塩でつけた焼豚も、すばらしい。麺は、川越の地粉をつかった自家製麺。

    この日、ぼくは、ビール二本と皿焼豚。そして、裏メニュー、新潟の日本酒を熱燗で二本。〆に、この塩そば。

    豊さんは、基本、日本酒や紹興酒はださない。ラーメン一徹で、酒を呑む店ではないのだ。でも、この冬、ぼくのために特別に用意してくださった。

    天然温泉にはいった後、大落古利根川べりで、ぼくがひとり(埼玉ではレッドリストいりの)オシドリの高鳴きをききながらニッカウヰスキーの小瓶をかたむけていたところを見つかったらしい。「麺や    豊」は、俳人・加藤楸邨邸跡地の裏手にある。

2015年12月18日金曜日

「見えない波」第2期発足会


   去る12月8日、中野の「中華sai」で、「見えない波」第2期の発足会がひらかれた。

    2014年に、小説家の古川日出男さんのよびかけでスタートした「見えない波」プロジェクト。来年2016年から、左右社さんのホームページで一年間の連載として、再スタートします。

    新メンバーは写真上、左から本ブログではもうおなじみ、気鋭の若手詩人、暁方ミセイさん。詩人にして比較文学者の管啓次郎さん。と、ぼく。
    三詩人をコアメンバーに、さまざまなジャンルのゲストを招いてリブートする予定です。

    写真右は、左右社エディターの東辻さん。左右社から書籍化も予定されている『地形と気象』でも担当してくださった。

    東日本大震災から5年が経とうとし、「見えない波」第1期からも、もう一年が経つ。今年は新詩集『耳の笹舟』の刊行もあって、「見えない波」になかなかたどりつけなかった。
   『耳の笹舟』は「見えない波」から生まれた、といっても過言じゃない。でも、応援してくださったみなさんに、お待たせして申し訳ないと思い、ずっとこのことが気がかりだった。
    協賛してくださる出版社も見つかり、あらたな態勢とベストメンバーで再スタートできることになったことは、ぼくにとって望外のよろこびです。

    これからも、応援をよろしくお願いいたします。

    そして、来年からスタートする、新「見えない波」を、どうぞお楽しみに!

2015年12月16日水曜日

ローライ同盟発足会、その2




    ローライ同盟発足会のつづき。

    写真上は左から、詩人のカニエ・ナハさん、アメリカ現代詩研究の遠藤朋之さん、詩人の菊井崇史さん、吉増剛造さん、デザイナーの井原靖章さん、石田瑞穂、詩人の城戸朱理さん、映画監督の井上春生さん。の、ローライ同盟メンバー。

    中央写真は、小野田さん、吉増さんのローライフレックスと、井上監督のベビーローライ。

    下の写真は、バー「クルベルキャン」の二次会にて。左から遠藤さん、石田、そして飛び入りしてくださった、ご存知、写真家・今道子先生。写真はいずれも、小野田桂子さん。やっぱり、いい写真だなあ。

    今回のローライ同盟発足会での収穫は、小野田さんの上写真。惜しくもクローズが予定されている神奈川県立近代美術館鎌倉館の最終展示、その玄関前での記念撮影でした。当日、小野田さんのローライは不調。吉増さんがご自分のローライで撮影したのだが、カチッというシャッター音がすると、みなさん「おおっー!」と歓声があがったのだった。ひとつの終わりから、またなにかがはじまった瞬間だった。

   発案者の吉増剛造さんが、かんたんなスピーチをしてくださった。吉増さんによれば、「ローライ同盟はライカ同盟の継承であり、ライバルでもある」とのこと。ライカ同盟は赤瀬川原平、高梨豊、秋山祐徳太子により結成されたのだが、吉増さんが若かりしころからの盟友的な現代美術作家でもある。吉増さんの亡くなられた親友、詩人の岡田隆彦とのつながりもあるらしい。この同盟は、吉増さんの特別な想いがこめられているのだ。さらに、小野田桂子さんakaマッドバンビのファンのつどいでもあるとか 笑

    そんなわけで、会長は城戸朱理さん、キャプテンは小野田桂子さんなのだった。

    スピーチと記念撮影が終わると、ぼくらは最終展示を観て、若宮大路をそぞろ歩く。すでに暗く、撮影は、またこんど。吉増さんとぼくは八幡さんに祀られている藤原定家の話をしていた。「じゃあ、うたがうまくなるように、石田とお参りにくるか」と、吉増さん。

   南仏ふうブラッスリー「Orange」で打ち上げ。井上監督、井原D、菊井さんとジム・ジャームッシュの映画話。井原さん、菊井さんとはほぼ初対面なので、いろいろとお話をきく。すると、ゲストに、文芸批評家にして鎌倉文学館館長の富岡幸一郎さん、そして今道子さんが合流。富岡さん、吉増さん、カニエ・ナハさんは川端康成と三島由紀夫の話でもりあがっていた。今年のエルスール新人賞現代詩部門を受賞された、カニエさん。吉増さんは、ずいぶん褒められていたっけ。

    二次会は、富岡さん、今さん、城戸さん、小野田さん、遠藤さん、ぼくで名バー「クルベルキャン」へ。城戸さんがボトルキープされている25年もののシングルモルトをご馳走してくださる。じつにやわらかな、ピートの香り。口にふくむと、海に浮かんでいる気がした。鎌倉在住の今さんともうすこしお話したかったが、とてもシャイでつつましやかな方だ。世界的に高名な写真家なのだけれど、ご自身のことをほとんど語らない。芸術家は、こうでなくては、と思う。こんどは、もっとお話ししたいな。

    バーは、富岡さんと城戸さんがおごってくださる。今さんにお見送りいただきながら、遠藤さんとぼくはビールと塩ゆでピーナッツを買って湘南新宿ラインのグリーン車に乗りこむ。新宿に着くまで、えんえん詩の話をしていた。

    大満足の、鎌倉の一日。