ローライ同盟発足会のつづき。
写真上は左から、詩人のカニエ・ナハさん、アメリカ現代詩研究の遠藤朋之さん、詩人の菊井崇史さん、吉増剛造さん、デザイナーの井原靖章さん、石田瑞穂、詩人の城戸朱理さん、映画監督の井上春生さん。の、ローライ同盟メンバー。
中央写真は、小野田さん、吉増さんのローライフレックスと、井上監督のベビーローライ。
下の写真は、バー「クルベルキャン」の二次会にて。左から遠藤さん、石田、そして飛び入りしてくださった、ご存知、写真家・今道子先生。写真はいずれも、小野田桂子さん。やっぱり、いい写真だなあ。
今回のローライ同盟発足会での収穫は、小野田さんの上写真。惜しくもクローズが予定されている神奈川県立近代美術館鎌倉館の最終展示、その玄関前での記念撮影でした。当日、小野田さんのローライは不調。吉増さんがご自分のローライで撮影したのだが、カチッというシャッター音がすると、みなさん「おおっー!」と歓声があがったのだった。ひとつの終わりから、またなにかがはじまった瞬間だった。
発案者の吉増剛造さんが、かんたんなスピーチをしてくださった。吉増さんによれば、「ローライ同盟はライカ同盟の継承であり、ライバルでもある」とのこと。ライカ同盟は赤瀬川原平、高梨豊、秋山祐徳太子により結成されたのだが、吉増さんが若かりしころからの盟友的な現代美術作家でもある。吉増さんの亡くなられた親友、詩人の岡田隆彦とのつながりもあるらしい。この同盟は、吉増さんの特別な想いがこめられているのだ。さらに、小野田桂子さんakaマッドバンビのファンのつどいでもあるとか 笑
そんなわけで、会長は城戸朱理さん、キャプテンは小野田桂子さんなのだった。
スピーチと記念撮影が終わると、ぼくらは最終展示を観て、若宮大路をそぞろ歩く。すでに暗く、撮影は、またこんど。吉増さんとぼくは八幡さんに祀られている藤原定家の話をしていた。「じゃあ、うたがうまくなるように、石田とお参りにくるか」と、吉増さん。
南仏ふうブラッスリー「Orange」で打ち上げ。井上監督、井原D、菊井さんとジム・ジャームッシュの映画話。井原さん、菊井さんとはほぼ初対面なので、いろいろとお話をきく。すると、ゲストに、文芸批評家にして鎌倉文学館館長の富岡幸一郎さん、そして今道子さんが合流。富岡さん、吉増さん、カニエ・ナハさんは川端康成と三島由紀夫の話でもりあがっていた。今年のエルスール新人賞現代詩部門を受賞された、カニエさん。吉増さんは、ずいぶん褒められていたっけ。
二次会は、富岡さん、今さん、城戸さん、小野田さん、遠藤さん、ぼくで名バー「クルベルキャン」へ。城戸さんがボトルキープされている25年もののシングルモルトをご馳走してくださる。じつにやわらかな、ピートの香り。口にふくむと、海に浮かんでいる気がした。鎌倉在住の今さんともうすこしお話したかったが、とてもシャイでつつましやかな方だ。世界的に高名な写真家なのだけれど、ご自身のことをほとんど語らない。芸術家は、こうでなくては、と思う。こんどは、もっとお話ししたいな。
バーは、富岡さんと城戸さんがおごってくださる。今さんにお見送りいただきながら、遠藤さんとぼくはビールと塩ゆでピーナッツを買って湘南新宿ラインのグリーン車に乗りこむ。新宿に着くまで、えんえん詩の話をしていた。
大満足の、鎌倉の一日。
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