クリスマスの夜。銀座で打ち合わせをおえると、桜木町へ。
アベックたちをさけて、いつものグランドホテルのバーへゆく。誤算。人気のないはずのバーは、三十分ほどまたないと、はいれない。
それでも、錆色に枯れてゆく海をながめながら、トニック、マティーニ、それから写真のオールドパー・スーペリア。
仕事帰りの妻とまちあわせて、茅ヶ崎の隠れフレンチ・ジャポネーズ、「ル・タロー」で食事。
シェフのタローさんがカウンターの目のまえで腕をふるう。テーブル席はない。コースのみで、毎晩、八組だけサーブする。
フランス産キャビアとコンソメクリームロワイヤルからはじまり、スコットランド産サーモンと冬瓜のテリーヌ、写真のトリュフソースのかかったあたたかいフォアグラのプディング、オマール海老と帆立貝のパイじたてアメリケヌソース、など九皿。
タローさんは、南フランスの都市、ナントから内陸にはいったロワール川近郊の村々のホテルやレストランで修行されたのだとか。ジビエはもちろん、ロワール地方料理にもくわしい。異色の経歴をもつシェフだと思う。
そういえば、最近の腕ききのシェフたちは、大都市の星つきレストランやホテルだけで修行することを善しとしない。
ペリゴール地方出身でミッテラン大統領の料理人をつとめた女性シェフ、ダニエル・デルブシュがそうだけれど、地方の伝統的なフランス料理に回帰するようなところもある。
タローさんにロワール地方の代表的な料理は?ときくと、「カワマス料理ですね」という答えだった。一メートルぐらいある川魚で、日本で食用のものはほとんどきかないという。空輸をすると、一尾4〜5万円だとか。
シェフ、居合わせたお客さんどうしもたのしく会話がはずむ。コースがいっせいに終了したのは、22時ちかく。みなさん、シェフに招かれた、ノエルの食事につどう親戚家族のような雰囲気だった。こんなレストランが、茅ヶ崎にあるなんて。
そして、毎年のようにISによるテロの危機にさらされている、友人もおおいパリで、今年のノエルはみんなどうすごしているのだろう。和気藹々とした雰囲気のなかで、フランスの平和を祈らずにはいられない。
Merry Xmas!!
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