2015年1月20日火曜日

赤阪友昭、語り部としての写真






   1/20、新月の夜。東京は南青山、根津美術館のすぐそばにある「ヘイデンブックス」で開催された、写真家赤阪友昭さんのイベントに参加。ゲストでお招ばれした。
   毎新月の夜に、ホストの赤阪さんがスライドとトークで旅の写真を披露するイベント。今回はモンゴルのトゥバ族をはじめとする遊牧民の暮らしがテーマだった。
   雑誌『Coyote』で活躍する赤阪さんは、現地の人々の生活にまじりながら写真を撮る。モンゴルの遊牧民族たちとは、3カ月、ともに暮らした。
   阪神淡路大震災で被災し、壊滅した街でボランティア活躍をつづけながら、電気も水道もないプリミティブな生活者に興味をもったことも、モンゴルを撮りにいくきっかけになったという。
   モンゴルの遊牧民が纏う民族衣装や小道具類なども持ち込んで、観客の方に着てもらったり、観るだけなく体験できる工夫もおもしろかった。
   冬はマイナス20度にもなる苛酷なバオ、移動式住居の暮らしで、友さんの仕事はストーブの燃料になる牛糞の採取だったそうな。「乾燥した牛糞を割ると、芳醇な草の匂いがします」。トナカイとの暮らし、いまはほぼ廃れてしまったというシャーマンの話など、他所では聴けない旅の土産話をこころゆくまで楽しむ。写真のなかで吹くモンゴルの草原の風とともに、自然とともに生きる感性、貴重な智慧を運んでくれた。

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