2015年1月7日水曜日

七草粥と西脇順三郎



   今日は母が七草粥を作ってくれた。これで、お正月が明ける。
   うちの七草粥は瀬戸内のアゴ(飛び魚)だしのみで炊く。塩はいっさい入れない。七草粥というと、なんとなく思い浮かぶのが、西脇順三郎。随筆集『野原をゆく』のなかで、春の七草と七草粥にふれた箇所があって、セリ、ナズナ、ゴギョウ…ときて、さいごにサトイモ、とくる。そして、お米の粥のかわりに餅を食べるのだそうな。
   まあ、こういうトリビアはいろいろあるのだと思う。以前、西脇の故郷の小千谷市に招かれたとき、七草粥のはなしが印象的だったので、尋ねた。小千谷では七草粥を食べる習慣はなく、かわりに「七日餅」というものを食べるという。寒の入りを過ぎて雪深い新潟では、七草もすずしろなどは手にはいらず、かわりにサトイモを入りたり、米も出せないので、餅なのだとか。海側では干し海老や貝も入れるというから、贅沢。というか、お雑煮との違いは…。
   そして、その後、雪室から出してきたばかりの納豆と砂糖、濃い口の醤油と餅をあえた納豆餅をご馳走になったのだ。あんな美味しい納豆餅は、あれから先もあとも食べたことがない。
   いつか、「越乃寒中梅」(寒梅、ではない)とともに七日餅も食してみたい。

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