伊良子清白『孔雀船』初版
清白の診察所とデスク
大阪からの帰り、ぼくは二年ぶりに鳥羽にきていた。そして、鳥羽駅から歩いて三分ほどの「漂泊の詩人 伊良子清白の家」を訪れる。
二十代のはじめ、ぼくは偶然、当時小浜にあった移築前の清白の家にたどり着いたことがある。ひなびた漁師町の一郭に伝説の漂泊詩人の家はあり、すぐ玄関横に、ちょっと場ちがいな公衆電話ボックスがたっていたのを憶えている。いま思うと、医師でもあった清白の家らしい景観だったのかもしれない。
『孔雀船』の表紙にも、あがり框の暖簾にも、そして携帯行火にも、清白こだわりの孔雀の紋がほどこされている。
記念館をでて、抹茶で赤福をいただき、電車の時間まで貝焼きで呑んだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿