黒鶏のグリル
ニコル・ギヨーさん Mme. Nicole Guillot
右からベルナールさん(M. Bernard Guillot) ニコルさん
滞在執筆中お世話になっているギヨー家のダイニングは、古びた梁にアンティークの蠟燭のシャンデリアやアート、各国の旅土産が飾られ、なんとなく海賊船のようだ。
ベルナールさんの診療が終ると、同じく精神科医で妻のニコルさんが夕食をつくってくれる。ニコルさんは大の料理好き。ヴァカンス中なので、いっそう手のこんだおいしい料理をつくってくれる。ぼくと妻はかれらの猫みたいに、そのいい匂いにつられてテーブルの下にやってくるのだ。なんという暮らし。
ニコルさんがつくってくれたのは、まずPetit marron プチマロンのポタージュ。プチマロンというと、栗を思い浮かべそうになるが、カボチャに似た野菜。日本ではあまり売っていないが「土に種を植えればすぐ育つわよ」との由。フランスの秋の味覚でもある。
メインは、Poule noir de berry プル・ノワール・ドゥ・ベリーのグリル、梨、イチジク、茸、ジャガイモ、煮豆添え。「ベリー地方の黒い鶏」という意味で、ほんとうに真っ黒な羽毛でおおわれた軍鶏のグリルだ。皮は独特の歯ごたえがあって、肉のうまみがすばらしい。まさに、ジビエといったかんじ。
旧市街のワイン屋では4€から30€ぐらいまでのベリー、ボルドーのワインを売っている。ぼくはニコルさんの料理をいただきながら、ベルナールさん、妻とにぎやかに食事をする。ワインは一日、一本のペース。なんという暮らし。
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