毎年、静岡から新鮮な魚の干物を送ってくださる方がいる。それも、箱いっぱい。
今年は、沼津漁港から。秋サンマ、アジの開きがとくにおいしく、干物とは思えないほど、瑞々しい。ゴマサバもちょっと炙って、ぬる燗といただくのが、最高だ。
「しずおか連詩の会」で、静岡にいってから、もう二年半はたつだろうか。それでも、静岡の方が産地直送の旨味を送ってくださるのが、ありがたい。
家で原稿を書いた一日の終わり、まずは生のスコッチでつかれた頭とこころをすっきりさせ、おもむろに埼玉の酒「神亀」を燗し、魚焼き器に干物と那須産しいたけをいれる日々。
焼きあがるまでに大根をおろし、庭から青柚子をとってくる。魚が焼けたら、柚子をスライスし、魚にひとふり搾りかけて、いただきます。
沼津の潮の香り、晩夏の陽ざしと海風が、鼻と口のなかでふくらむ。埼玉にはない香り。魚を食べるうち、干物は魚の香りを食べるものだと気づく。
だとすれば、やはり、来年は七輪でも買って、炭火で焼こうかな。
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