詩集、詩論書、詩誌、お手紙、詩にまつわる郵便物は年間1500点ぐらい。それでも、目をとおします。
高塚謙太郎さんは、このところつづけて、手づくりの感触ののこる、ペーパーバックの詩集を送ってくださった。
『花嫁』(Aa企画)が、とくによかった。
全103頁の、連作長編詩。
「よりによってより子がよりによった夜/わたしは知らずにより子のひざまくらに/水の音をたて糸によこ糸により/まるで黒いものが空からおりてくる/そのものを迎え入れる長さとなって/とんがっていたのでした」(「春らんまん」より)
水の流れるごとく、意識の流れのままに、言葉の身体が、やわらかく踊っている。森羅万象と。季節と。
詩を勉強する言葉から自由になって、高塚謙太郎という詩人の生理がつよくでていると思う。まるで、ダンサーの書くポエジーだ。
前作の『memories』(Aa企画)は、散文連作詩だった。毎回、ちがう反復を試みているのだろうか。
いまのところ、高塚さんと、実際の交流はない。ときどき、こうして流れ着く、投壜通信だけ。
詩の郵便箱を開けて、新しい才能と出会えるのが、うれしい。
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