五条松原から、河井寛次郎美術館へ。一年ぶりの来館だろうか。町屋づくりのこの美術館は、旧河井寛次郎邸であり、河井窯でもある。
作品を観るというより、ぼくはこの河井寛次郎がつくり、ととのえ、暮らした空間に身をおくことを目的としているのだ。ちなみに、自宅には河井寛次郎作の花瓶と湯呑があるのだが、その両方に、時折り、母が野花や茶花を活けて愉しんでいる。
写真は、河井寛次郎が実際に轆轤をひいた仕事場。美術館では受付で事前に商用でないとのことわりをいれれば、館内で撮影もさせてくれる。とはいえ、バスでのりつけてきたツアー客たちは、「この色がええなぁ」とかいいながら、バチバチ勝手に記念撮影してゆくのだが 笑
なおしがまったくはいらない墨筆の戦中日誌、窯の構造図やアルファベットがほんとうにきれいで几帳面な学生ノートをしばし眺める。仕事場の奥、床の間に祀られているのは、円空仏だろう。初期李朝の祭器におそなえがしてある。主人が不在でも、仕事場の空気は凛としていた。作品も仕事も仏とした、陶芸家の家らしい。
火のはいらない登窯からは、ホオジロがあわてて飛びだす。
美術館のそばにあったすてきな市川珈琲店で小憩。祇園まで歩く。
午後から、京都在住の詩人、岡本啓さんと会うのだ。
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