庭の紅梅の莟がもうふくらんできました。
春になってしまう前に、
冬の酒器をアップしておきます。
徳利は古備前、ジャスト1合。
盃は松浦古唐津、江戸時代初期。
双方とも、詩人の城戸朱理さんから
結婚祝にいただいたもの。
ちょっとかわいく撮れたもので。
以前、勝見充男さんが
「20個の盃を買えたとしたら、
徳利はその20分の1の確率だね」と。
そんな古備前徳利は、
あまりにもつかいすぎたため、
肌にとろみがかかると同時に
ちょっぴり黒ずんでしまった。
古唐津盃は一息に轆轤をひいて
高台脇にかんでいる珪石は、
海底にあった黒雲母。
ぼくはもっていないけれど、
古唐津盃のなかには
酒を注ぐと海底を覗いたような
窯変をみせるものもあります。
ぼくは窓辺の冬陽のなかに
この徳利と盃を早朝から日没まで置いて
たっぷり陽光の薫りを吸わせます。
それから、ぬるめの御燗を注ぎ
妻の絶品卵焼きで一杯。