2016年10月28日金曜日

明日は「田野倉康一、広瀬大志 現代詩文庫刊行記念イベント」



 以前も本ブログで告知しましたが、明日1029日土曜日、神田神保町古書センターにて、詩人の田野倉康一さん、広瀬大志さんの現代詩文庫刊行を記念してイベントが開催!

 ぼくも第一部のトークに司会として出演させていだきます。詳細はこちらをご覧ください。

http://www.shichosha.co.jp/event/item_1722.html

 折しも、本の街・神保町は「古本まつり」が開催されているとか。いいなあ。明日は晴れそうだし。

 秋晴れの神保町を散策しながら、詩の催しにも顔をだしてみませんか。

 きっと、ビールも旨いにちがいない。

2016年10月27日木曜日

机辺のモノたち2〜銀のボールペンとノート





書くときは、手書き。PCは苦手でつかいません。

 詩も散文も、第一稿はノートにボールペンで。基本的に、詩は満寿屋の名入り原稿用紙に万年筆で清書、散文はノート稿をPCで清書してもらいます。最近は原稿用紙に万年筆一発で書いたりもしますが。ブログはスマホで。

 ぼくは外出先や散歩の途中で書くことが多い。いまはちがうかもしれないが、ノートPCは携行には重いし、原稿用紙を喫茶店や野山でひろげたくない。ノートにボールペンが見目・質量ともに、軽いし、いいのだ。この書くときに軽いという感覚、詩には大切な気がしている。

 いまつかっているノートは、フランスのスーパー「カルフール」でまとめ買いした方眼罫の学習ノート(フランスではカイエという)。縦書き(タテ置き)で使うと、一行16文字、一頁21行。このマス目のリズムが、ぼくにとって、詩を書くのにも、散文を書くのにもここちよい。

 ボールペンは純銀軸のカランダッシュを、約二十年間、愛用している。ボディにケルト文様が彫金された、デッドストック・モデル。ぼくは華美で装飾的なペンは好まない。リフィルは太字のブルー。
 商業ライターの初任給で買ったのだが、ぼくが自分で購入したペンはこれくらい。ほかは折々にいただいたものばかり。本の街、神田神保町の名物筆記具店「金ペン堂」、その先代のご主人にすすめられて買ったのだ。

 いまでも覚えているけれど、クロスかなんかのボールペンを買おうとしたら、「これにしておきなさい。鉛筆とおなじ六角形のペン軸がいちばん書きやすい。軸がメッキなのはだめ。これは銀だから、多少汗ばんでもすべらない。私もこれしかつかわないから」老眼鏡から上目遣いにギロッとやりながら、おっしゃられた。店主の胸元には、純銀のカランダッシュが二本も柔らかく輝いている。以来、書き味も、手触りもいまだに飽きがこず、愛用している。たくさん書いても肩が凝らない。

 ぼくが書く時と場所に、このペンはいつも寄り添ってくれた。海外での仕事のとき、万年筆は飛行機内の気圧変化でインクが漏れてしまうし、原稿用紙はすぐに足りなくなる。もし、旅先で詩が書きたくなったら、ノートを一冊買えばいい。

 ぼくの机辺で、この銀のボールペンが長年の功労者だと思い、今回、ブログにださせていただきました。

2016年10月24日月曜日

フランスへ酔っぱらいに〜パリ篇2






    パリの「銀座」、サンジェルマン・デ・プレのバック通りを歩く。

    ここには、ヴィトン、エルメス、モンブラン、ダンヒル、アルマーニなどハイブランドの店がならぶ。高級百貨店ボン・マルシェもあったりして。おしゃれなパリジャンも多いのだった。

    奇跡のメダイ教会で旅の安全と平和祈願。その後、ボン・マルシェをひやかし、裏街にあるパリジャン愛好の老舗ステーキ店へ。

    ル・ルレ・ド・ラントルコットには行列ができていた。ここのムニュは、サラダとフライドポテト付きのステーキのみ。萌黄色の秘伝ソースがかかっている。ぼくはミディアムレアを注文。
    なんと、ステーキは一回おかわりができて、フライドポテトは何回でもおかわり自由。ハーフボトルのメドック・ワイン、コーヒーもつけてふたりで75ユーロでした。脂身がすくなく、わりとあっさりしたステーキでしたね。イタリア人も日本人もパリジャンも、みんな肩を接するようにすわって、食事を楽しむ。お隣の老カップルは、30年はここに通っているという地元界隈のムッシューとマダムだった。

    ファッション・ウィークとあって、店にはコムデギャルソンのチームが、全身ギャルソンできていた。ちょっと異様な雰囲気で   笑   となりのパリジャンは目を丸くしている。それでも、すぐうちとけて、話しはじめた。

    いま、フランスでは、次期大統領選出馬を表明したサルコジが、裏献金を得ていたことが発覚し話題になっている。サルコジはなんとか批判の矢をかわそうと、極右政党にすり寄っているのだ。
    とくに連続テロ以降、フランスでは移民の受け入れに反対する国民が増えている。サルコジは、そんな世論の人気とりにはしり、衆愚政治が危惧されているのだった。ぼくらの国のように。

    そんな時代でも、パリは寛容な好奇心を、日々の暮らしのなかで手放そうとはしていない。

2016年10月22日土曜日

第一回「LUNCH POEMS@DOKKYO」開催!



 10/20木曜日、獨協大学にて第一回「LUNCH POEMS@DOKKYO」が開催。好評のうちに幕をとじました(写真は中央むかって左がぼく。中央、岡本啓さん、右、原成吉先生。実行委員会のみなさん)。

 このプロジェクトは、毎月第三木曜日のランチタイムに内外で活躍する詩人をひとり、獨協大学外国語学部と学生さんたちで招き、「声の文化としての詩」をコンセプトに自作朗読と講演をおこなってもらうという企画。
 その講演を録画して、獨協大学図書館でデジタルアーカイブ化してゆく。学期中、年8回の開催で5年間は継続する予定だから、40名ちかくの詩人たちのデジタルアーカイブができるというわけ。詩人たちが形成する一時代の言葉の地層が露出する。デジタルアーカイブへは国内外のどなたでもアクセスでき、また講演にはどなたでも無料で参加できます。
 プランナーは獨協大学外国語学部教授の原成吉先生。ボブ・ディランの研究者でもある先生は、ディランのノーベル賞受賞もあって、いまは各媒体への執筆、テレビ出演とおいそがしい。そして、ディレクターが、ぼく。
 公式サイト、デジタルアーカイブ等は現在準備中です。講演のインフォメーションは「原成吉ゼミナール公式HP」、「獨協大学外国語学部英語学科HP」をご覧ください。

 原成吉ゼミナール 

 外語学部英語学科

 第一回の詩人は、岡本啓さん。

 この日のために、「LUNCH POEMS@DOKKYO実行委員会」の学生のみなさんは、さまざまな準備をしてきた。
 企画制作、会場設営はもちろん、リハーサルをかさね、フライヤー、ポスターもつくる。講演動画の録画、編集はセミプロレベルの獨協大学放送研究会、獨協大学映画研究会の学生さんたちが担当。
 岡本さんは、獨協大学正門前のおおきな電光掲示板に「詩人 岡本啓」と表示されると、びっくりされ、うれしそうに笑われていた。
 
 岡本啓さんの朗読、講演の内容はここでくわしくは書きません。11/20以降にアップ予定の講演動画を、ぜひ、お楽しみに。アップの詳細は本ブログでも追ってお知らせします。

 ただ、一言。旅と移動のなかで紡がれる岡本啓の詩。お話は詩の根源をさししめしながらも等身大の言葉で、年齢もちかい学生さんたちはよろこんでいた。会場には外国語学部の先生方、思潮社編集部の出本さんも視察にこられている。学生さんたちはランチを食べながら、真剣に、かつリラックスして岡本さんのお話と朗読にききいっていた。
 
 講演後は、岡本さんといま開催中の「さいたまトリエンナーレ2016」を観にゆく予定だった。でも、これから原ゼミナールで、詩人のナナオ・サカキが1970年代後半に出演した秘蔵フィルムを観るという。そっちのほうが、おもしろそうだね、ということになり、ゼミの授業に岡本さんとぼくはまぜてもらうことになった。
 上野圭一監督作品「スワノセ 第四世界」は、当時のヤマハ株式会社による諏訪之瀬島開発に反対するため製作上映された16ミリフィルム映画。ナナオさんがいた諏訪之瀬島のコミューン、バンヤン・アシュラマでの暮らしなど、貴重な映像がのこされていた。出演はゲイリー・スナイダー、アレン・ギンズバーグ、マイケル・マクルーアなど、錚々たるメンバー。

 夕方、岡本さんとぼくは、浦和の街に消える。おおいに呑み、語らい、岡本さんの終電ギリギリの23時ちかくまでひきとめてしまった。やさしく、スマートで、それでもその磁器のしたに沸騰するマグマをかかえていそうな、不思議な青年詩人。さぞ、お疲れでしたでしょう。

 次回、11/17木曜日は注目の若手女性詩人、大崎清夏さん。こちらも、楽しみ。

 岡本啓さん、原先生、実行委員会のみなさん、獨協大学の先生方、学生さん、ありがとうございました。また、来月もよろしくお願いします。


 See you later, alligator!