南種子市街(といっても、町、ぐらいのサイズ)で、「インギー」がおいしいといわれる食堂「美の吉」でお昼を食べた。
インギーとは、種子島の地鶏、軍鶏のこと。
運転手のぼくは呑めないので、「インギー焼鳥定食」。妻は「インギー親子丼」。
焼鳥は、タレはなく塩のみ。赤身がもも肉でササミが白身。おもしろいのが、串に紅白で刺してあるところ。
食堂のおばちゃんによると、だれが、どの店がはじめたのかわからないが、インギーの焼鳥は昔からこのスタイルだという。写真ではかくれて見えないけれど、ハツ、レバー串もあった。お椀は、インギー汁。栄養満点なかんじ。
まったく臭みのない、歯ごたえのよい肉。噛めば噛むほど、じんわりと口中にひろがる滋味。うーん、ビールがないのが、なんとも。
鹿児島、種子島に着いてから、ずっと「ラーメン!」とさわいでいた妻は、卵とろとろの親子丼も食べているのに、インギーでスープを炊いたラーメンも注文。よっぽど、食べたかったらしい。
麺は、鹿児島ラーメンに似て、やわらかめのつるっとした細麺。塩味のスープは舌ざわりがなめらか。コクは豚骨に匹敵する。濃厚だが、豚骨ではないので、もたれない。葱のうえに、辣油がすこしかかっている。好みのラーメン。
食後、腹ごなしに散歩すると、丘のうえに公園があって、夏草に沈みかけたちいさな陸上競技場になっていた。
ランニング・トラックを、おばあちゃんがエプロンをつけたまま、ちょこちょこ走っている。
潮風が、気持ちいい。