イサベルの家の地下室から出土したのは、古代ローマ時代から18世紀にいたる、陶片の数々。
いちばんうえの写真、緑の釉薬がつかわれているのは、16世紀ごろの食器。蓋がつくようになっていて、かたちからすると給仕用のスープボウルかもしないとのこと。ジャック・クールをはじめ、ブールジュには裕福な商家が軒をつらねていた。次はローマ時代の陶片。もとの姿は不明だそう。
三番目の写真、ブルーの釉薬の人物像の部分。イサベルによると、これは中世の狩りの装束で、人物が持っているのはパイプだとか。猟場で音楽をかなでたり、音で獣を追いつめたりするのだという。
一番下の写真は、ブルーの人物像の陶片をもとにイサベルが復元して焼いたもの。これは伝統的な装飾屋根瓦で、日本の鬼瓦のように屋根の四隅にとりつけられる。注目してほしいのは、人物像の下の部分。おっぱいみたいな突起があるでしょう。これは風が吹くと笛のように鳴る細工。あ、だから楽団の笛吹きなのか。かつてのブールジュでは、屋根のうえで風見鶏や音楽家たちが風のホーンを鳴らしたのだと思うと、うれしくなる。昔の人は、ほんとうにすてきな遊びごころをもっていた。
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