2014年5月29日木曜日

伊豆の海と星の王子さま







南熱海の
網代へ
仕事でゆく
出張中は
推薦文を
頼まれていたので
管啓次郎さん訳
『星の王子さま』
(角川文庫)を
持ち歩いて
読んでいた

ちょっと
曇り空

三島由紀夫の
小説の舞台になった
のは西伊豆
だけれど
南熱海も
鏡のように
凪いでいて
おだやかな海
潮風と波音
カモメの
鳴き声ぐらいしか
聴こえない
静かな
漁村が多い

関東で
食べられる
旨い魚は
網代からくると
昔から
いわれるほど
網代は
魚介の宝庫

ぼくが取材した
ホテルの食事は
ほとんど素朴な
磯料理で
日本酒をかけると
うねうね踊る
アワビのステーキ
はもちろん
初めて食べた
金目鯛の洗い
帆立のワタ焼きも
絶品だった
宿代はひとり
一万円ちょっと

地元出身の
仲居さんに
尋ねたら
ここの魚には
漁師料理が
なにより合うので
ホテルでも
あえて
磯料理を
アレンジしたものを
だしているのだとか

人気がないので
本をもって
露天風呂へ

海の延長の
ような
かけ流し温泉の
湯船に
足を伸ばして
つかると爪先が
水平線にとどいた

足の親指の先で
一番星が輝いて
本のなかで
「ちび王子」が
薔薇に水やりを
している
伊豆の海と星を
眺めながら読む
『星の王子さま』も
なんだかいい

朝食は新鮮な
アジの干物や潮汁
静岡は米どころ
だから
ご飯もほんとうに
おいしい
二年ぶりに
朝飯を
おかわりした

2014年5月26日月曜日

『ユリイカ』6月号に詩が掲載



今月発売の
『ユリイカ』
6月号に
詩作品が
掲載されました

「運河の練習生」
という
90行ほどの詩

本誌の特集は
映画監督の
ウェス・アンダーソン

ぼくも
大好きな監督
なので
偶然とはいえ
とても嬉しい

詩は
7年程前に
アムステルダムに
いったことが
発端になりました

自分事とはいえ
かつての旅が
時間を越えて
思いもよらず
詩になるのだから
不思議な気がする

ぜひお読みください

いまから
伊豆に出張

海から海へ

2014年5月23日金曜日

湘南の午後




湘南と横浜に
仕事でよくいく

その日は
午後があいたので
なんとなく
片瀬漁港から
江ノ島へ
ぶらぶら

片瀬の町で
江ノ電を
降りて
いつもの
魚屋さんで
地物の
あじフライと
めばるフライ
コンビニで
エビスを
かって
潮風のなかを
呑み食い歩き

魚はふわふわ
ソースや
塩がなくても
磯の味が
しみていて
うまい

空には
とんび

漁港の店に
はいり
「生しらす丼」
というと
「今日は風が
つよくて
しらす船が
でていないんです」
といわれ
釜揚げを
頼む
たっぷりの
しらすで
日本酒を
三本呑む
しらすは
舌のうえで
淡雪みたく
すぐ
とけてしまう

いらない
ガラス壜に
日本酒を
もらい

それから
江ノ島の
岩屋まで歩いて

夕陽が
おおきな
凸面鏡みたく
撓んだ海に
沈むまで
岩に腰掛け
海酒しつつ
ただただ
放心
していた

2014年5月20日火曜日

「遠いアトラス」電子書籍化・イベント決定!


「日々が紙を飛びだして」
マイナビ・ブログで
好評連載を終えた
詩人の
管啓次郎さん
暁方ミセイさん
ぼくによる
リレー詩
「遠いアトラス」が
電子書籍化
されることに

読者のみなさま
ほんとうに
ありがとうございました

さらに
電子書籍化を
記念して
「遠いアトラス」
イベント開催
決定!

出演は
啓次郎さん
ミセイさん
ぼくの
全員を
予定しています

場所は
下北沢にある
いま注目の
ブックストア
「Book & Beer」さん
来る6/21(土)午後
スタート予定

詳細は後日
「B&B」さん
公式HPにて

http://bookandbeer.com

アップされますので
ご確認ください

紙の本
ではなく
電子の本の
刊行イベント

はたして
どうなるか

ぴりっと
おしゃれな
ブックストアで
詩の朗読と
トークに
耳とこころを
あずけ
美味しい
ビールを
いっしょに
呑みませんか?

写真は
ロンドンの
古道具屋さん
でした

2014年5月17日土曜日

Maebashi team in Paris



三角みづ紀さん
から
メールが届く

前橋の
小野田賢三さんの
パリでの
個展に合流して
イベントを
やるそう

写真はメールに
添付してあった
三角さんの撮影

パリの
ユダヤ博物館では
バンドデシネ
(フランスのマンガ)
の歴史が
展示されているらしい
(右の顔らしき
ポスター)

初めてのパリが
好きになったと
三角さん

ぼくはその日
上野の
東京都美術館に
「バルテュス展」を
観にいっていた

2014年5月16日金曜日

前橋という、アートタウン




三角みづ紀さんの
個展に来ていた
美術作家で
アートタウン前橋の
中心人物の
ひとりでもある
小野田賢三さんが
案内してくださる

まずは
昨年開館した
ばかりの
「アーツ前橋」
ダダイスト
白川 昌生さんの
個展が
開かれていた
白川さん
ご本人も
三角さんの
個展に作品を
寄せられていて
ご挨拶した

つづいて
お連れ
いただいたのが
「旧安田銀行担保倉庫」
煉瓦造りの
歴史ある建物
小野田さんは
群馬出身の
若手アーティストらに
声をかけて
ここを
アートギャラリーに
してしまった

一階は
アンティーク屋
「コンチキ」さん
が入り
二階がギャラリー
急勾配の
古材の階段を
のぼってゆくと
ほとんど
照明もない
薄暗がりの空間に
ぽつり ぽつり
アート作品が
設置されている

なんと昨年
ワタリウム美術館で
個展が開催された
JRの作品がある
鎧戸を工夫してあり
ステンドグラス
みたいに
浮き上がって
見えた

小野田賢三さん
の作品もある
CMYKカラーの
プラスチック製
ビールケースを
配置した
ミニマリズム
(というより
specific object)
とても面白い
小野田さんは
ドナルド・ジャッドや
ステラがお好きで
リチャード・セラに
教示を受けたとか

ぼくも
ワタリウムの仕事で
ブルース・ナウマンの
個展のお手伝い
をしたことがあり
話が盛りあがった
群馬の近代画家
村山琴泉の
油彩作品もあった

さらに
商店街の
空き店舗?を
活用した
アートスペース
Maebashi Works
通称「MW」では
白井昌生さんの
展示の関連で
評論家の
アライ=ヒロユキ
さんのトーク
があって
ヘンリー・
デイヴィッド・
ソローや
ナンタケットの
話をしている

小野田さんに
よれば
前橋では
こんなふうに
毎週末の如く
密度と感度の
高い催しが
開催されて
いるのだそうだ

もともとは
シャッター商店街
が多くなりだした
前橋を
アートで
復興しようと
有志が集って
いるのだとか
理論派の
アーティストたち
だけあって
復興も
構築美というか
きちんと
コンセプチュアルに
進行している
という印象を
受けた

三角さんの
個展会場
「ヤーギンス」
さんに
戻ると
宴会というか
ホワイト餃子の
鍋の準備が
着々と
進んでいた

昨今の
三角さんの詩は
とくに
詩という
ジャンルも
飛び越えて
柔軟な思考で
変幻自在な
気がするのだけれど

前橋で出会った
アーティストや
ミュージシャン
たちとの
交流が影響している
のかもしれない

詩人の
チャールズ・
オルソンや
ジョン・ケージが
集った
ブラックマウンテン・
カレッジも
こんな雰囲気が
あったのかも

三角さんが
今回の個展のために
「制作」された
詩的小冊子
「airmail for exhibition」
を手にしながら
そんなふうに
感じた

楽しく
勉強になって
元気をもらった
一日でした

とても親切に
してくださった
前橋のみなさん
ほんとうに
ありがとう
また遊びに
行きます

2014年5月14日水曜日

前橋の三角みづ紀さん




去る4/26
(すいぶん前
ごめんなさい)
詩人の
三角みづ紀さんの
初「個展」に
いってきた

場所は
前橋市内の
「ヤーギンス」
さん
弁天通り
アーケード
という
商店街のなかに
できた
アートスペース

いま
前橋では
おもに地元
アーティスト
が中心となり
現代美術から
積極的に
街興しをしている

昨年
三角さんと
静岡連詩でご一緒
したときに
三角さんが
定期的に
前橋に通われている
ということを
きいていて
ぼくは興味津々
だったのだ

ヤーギンスでの
個展は歌人の
野口あや子さん
はじめ
美術家や詩人が
それぞれの
「三角みづ紀」を
つくる
というこころみ

4/26の
イベントでは
三角さんも
登場して
フェンダー
ジャコ・モデルを
奏でる
フレットレス・
ベーシストの
織原良次さん
Macで
音響を紡ぐ
藤口諒太さんらと
セッションした

とはいえ
ストレート
アヘッドな
ジャズベースと
詩の朗読
ではない

織原さんは
ベースでつくる
「透明な家具」
という
ユニークな音楽を
つくっているのだが
三角さんの
詩行と
織原さんの
ペダルを使用した
ベースのエコーが
アンビエントとして
空中で
響きあう
という趣向

三角さんが
ささやくように
読む詩と
ベース弦の
「ふるえ」が
ヤーギンスに
ぴんとした
空気感を
生みだしてゆく

イベント中は
出演者も
観客も
気ままに出歩いたり
おしゃべりしたり
本を読んだり
できる

ぼくは
ビールを呑み
駄菓子屋を
のぞき
子どもと遊ぶ

三角さんは
ヤーギンスの奥の
畳部屋で
ごろんと
ころがる

街と詩と美術が
つながる

そんな面白い
センスを
どうやら
三角さんは
前橋の
アーティスト
たちからも
吸収している
ようなのだ

このつづき
また
書きます

2014年5月10日土曜日

青嵐の夕べ





今月は
『ユリイカ』
『花椿』
旅行誌
など
詩の注文が
かさなり
四百行ほどを
執筆

ニューヨークに
行かれていた
古川日出男さん
から帰国の
メール
さすがに
体調を
崩されたらしい

管啓次郎さんは
いま
長篇詩に
取り組まれている
という

ぼくは
といえば
庭の
野花を
摘んで
骨董市で
見つけた
硝子の
小壜に
いけたり

もう
終って
しまいそうな
白い
ツツジを
発掘ものの
美濃片口に
いけたり
している

暁方ミセイさん
から
素敵なメール
「わたしの
地元は
青嵐です」

2014年5月8日木曜日

クラウド・ファウンディング達成御礼


5/6の23時頃
「見えない波」の
活動基金を
サポート
していただく
クラウド・
ファウンディング
100万円が
達成されました

ありがとうございました!

ぼく個人が
リターンとして
出展して
おりました
「詩の添削」
エスパス
ジャポン展示
生原稿入り
「詩人セット」
ツアー中に
発表目的
ではなく
万年筆で
つけていた
世界で一冊の
ジャーナル入り
「詩人のカバン」
そして
「詩人の酒器」
セットにも
サポートを
いただきました

この場を
お借りしまして
サポーターの
みなさまに
お礼を申し上げます

2014年5月6日火曜日

カクテルの街




仕事で
宇都宮に
いった

宇都宮は
JR駅から
離れたところに
本町があり
そんな
大人の静けさを
たもった
ところが好き

夕方について
西口から
十五分
歩いた
宇都宮の本宮
二荒山神社を
参拝

薄闇の帳が
降りるのを
待って
くりだした

あなどるなかれ
宇都宮は
秀逸な
スタンドダード
バーが
多く
カクテルの
日本一を
十七人も
輩出した
バーの街

まず
泉町の老舗
「タナカ」へ
止まり木に
七席分しかない
こだわりのバー

今回は
残念ながら
定休日

やっと入った
代わりの
バーでは
「モスコミュール」
を頼んでみる
この
ジンジャー
ビールをつかう
カクテルを
宇都宮では
銅や錫の
マグに入れて
だすバーが多い

カッパーの
マグに入った
モスコを
呑むと
宇都宮にきた
気がする
カルパッチョと
サラダを頼み
オリジナルの
カクテルを
二杯

二軒目は
宇都宮の
トマト農家の
お嫁さんから
教えてもらった
「Val's Bar」
豆腐屋さんも
ある
住宅街に
たたずむ
ちいさなバーで
味、雰囲気
マスターの接客
ともに
すばらしかった

ぼくはここで
「ネヴァダ」
「スターダスト」
スコッチを
少々
〆は
「ドライマティーニ」
オリーブは
別小皿に
入って
でてきた

宇都宮のバーは
CPが
かなりよいと思う
ここまでで
お会計は
一万円
いっていない

最後は
宇都宮ラーメン
の名店
「みうら」で
支那そば

また
こよっと

2014年5月1日木曜日

城戸朱理さんと浦和の古書店2





前回のつづき

いくつか
浦和の古書店を
めぐった後
お茶でも
しましょうと
浦和の
名物喫茶店
「楽風」へ

江戸時代から
つづく
茶葉を商う
青山茶舗の庭に
古民家を
改築した
茶みせは
煎茶が
美味しい

2階は
ギャラリーに
なっていて
その日は
たまたま
絵本作家
イラストレーターの
「井上洋介展」が
開催されていた
城戸さんは
井上氏の絵が
お好きらしく
目を輝かせる

浦和にゆかりの
画家でも
あるけれど
井上氏といえば
『ぶんぶくちゃがま』
だろう

絵本の店
トムスボックス
刊行の
『昭和画集』
からの
オリジナルも
展示してあって
本物の土壁に
よくあう

箱入りの
絵本?も販売
見返しには
井上氏の
オリジナルの
版画も
添付してあって
城戸さんは
すぐに購入
ぼくも
「No.176」を
手に入れた

夜は
浦和名物の
鰻を食べたい
という
リクエストで
鰻屋へ

ぼくの
好みだと
「中村屋」か
「古賀」
だけれど
鎌倉や都内の
名店に行く
城戸さんだから
あえて
庶民?的な
店をえらぶ

とはいえ
二人で行った
「和香」は
すぐいっぱいに
なる人気店
白焼き
きも和え
背和え
かしら
うな重
食べきれない
くらいでた
価格は
大変
リーゾナブル

ぼくは
途中で
酒も入らない
くらい
満腹になった
けれど
健啖な城戸さんは
特上うな重を
残さず
召しあがられた

ワインバーで
呑んだ後
ホテルまで
城戸さんを
お送りし
握手をして
お別れ

後日
とても丁寧かつ
素敵な
お礼状を
いただいた