2015年7月17日金曜日

佐峰存、という詩人



   「現代詩手帖」投稿欄でも、しだいにその名が知られるようになっている詩人、佐峰存さんが第一詩集をだす。
    ご本人の希望で、その栞文を書くことになった。
    アメリカで育ち、大学も卒業したという経歴をもつ詩人。先鋭な視点をもち、詩の完成度も高く、たしかに既存の詩人にないオリジナルな語法と感性をもっていると思う。その詳細は第一詩集が上梓されてから、手にとって読んでみてほしい。
    これまで佐峰さんとは面識もなく、個人的なやりとりをしたことはまったくなかった。栞文の執筆を引き受けた際も、ゲラを読ませてもらってからご返事させていただいた。
    当然かもしれないけれど、純粋に詩を読んで出逢った、あたらしい詩人。
    佐峰さんとはすでに、イベントで共演する話がすすんでいる。
    昨日、自公与党により、大多数の憲法学者が違憲を指摘する戦争憲法案が通過してしまった。これだけ反対世論が多く、拙速な国会議論のあげく首相談話が「理解を充分に得ていない」なのだから、この国はほんとうに民主主義国家なのだろうかと、唖然としてしまう。
    公明党にいたっては母体である創価学会があれだけ平和主義だの詩だのを唱えてきたにもかかわらず、躊躇なく戦争憲法に加担してしまうのだから、人心を裏切るにもほどがあろう。
    いま多くの人たちとおなじつよい憤りを感じていたここ二日、ぼくはペンを片手に佐峰さんの詩とむきあってきた。そして、ふしぎと彼の詩がこころに響いて、慰めを得ていた。
    いま、日本では、ありえなかったことが平気で起こる。佐峰さんの流転の詩は、そんな世界をあたらしい理知と感性でとらえようとする。

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