2012年12月5日水曜日

パリより帰国


  

 フランシス・ポンジュに忘れられないフレーズがあります。


「秋の終わりは冷めた紅茶のようにかなしい」


秋の終わりにいったパリ。

まさしく、ポンジュのパリがありました。


ほかの葉は枯れてしまいましたが、

プラタナスは黄金色。

日本と同じで、近年のフランスは秋がとても短い。

ノエル(クリスマス)のテントが張られると、

スイッチを押したように寒い寒い冬がはじまります。

季節を追う幻の小鳥、

プラタナスの紅葉が地に舞い降りて。


ぼくはパリに着くと、いつも行う習いがあります。


セーヌ川に身を投げた詩人、

パウル・ツェランを悼んで薔薇を一輪、水面に献花します。


もちろん、川岸の屋根裏部屋で昼間はペン軸を握り、

夜はグラスをあげつづけた「無名の手」にも、敬意を表して。


パリは画家たちの街でもあります。

カルチェラタンの画廊や古本屋はつい覗いてしまいます。

最近は、ファインアートのほかに

バンドシネ(漫画)の原画も人気です。

新進のものに目ざといパリジャン。

マンガはもう立派なアートコレクティブの対象です。

10年前はポップアートやグラフィックだったのですが。


 ところで、秋のパリでぜひ試していただきたいのが、

冷たいスイーツ。


サン=ルイ島の老舗アイスクリーム店「Berthillon」。

http://www.berthillon.fr/

いまや世界的な人気店で、アメリカ人観光客が並んでいました
パリ、秋とくれば、栗。

マロングラッセをそのまま使ったアイスを頬ばると

濃いめのリキュールとマロン、クリームが

最初は甘く、つぎはビターになってかなり濃厚な味わい。

思わず「フランスのスイーツって深いなあ」と

つぶやいてしまったほど絶品でした。


パリジャンたちは灰色の寒空に

コートとマフラーで重装備しながら、

ショーウインドウやシルク(サーカス)を覗いてそぞろ歩き

カップルでアイスを食べるのが大人のデートらしいです。


冬を待ちうける気持ちと、去りゆく秋を悼む気持ちと。





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