2015年5月1日金曜日

詩への旅、その2。不来方再訪







    北上から盛岡へ。材木町から開運橋を見る。その向こうが、不来方橋。北上川に、まだ雪を冠した岩手山が見えて、盛岡再訪の気分がたかまった。春靄がかかってはいたけれど。盛岡は宮澤賢治、石川啄木の街であるとともに、ぼくにとって城戸朱理さんの『不来方抄』の街でもある。
    母の希望で材木町の民藝店「光原社」に立ち寄る。母は宮澤賢治の『注文の多い料理店』初版本や原稿のレプリカをじっくりと見ている。ぼくは井上尚之氏のスリップウェアが欲しかったのだが、すでに売り切れ。来たる5月23日から大阪で開催の「まどろみの島ーuisce agus loch」展のための買い物をした。母は希少価値の高い、山ぶどう皮で編んだ大籠をもとめたようだ。
    買い物や民藝を見にいってなかなか帰ってこない母を喫茶室「可否館」で珈琲を飲みながら待つ。北上川に面した芹沢銈介揮毫、賢治の「雨ニモ負ケズ」が書いてある白壁を眺めていると、川向こうからお囃子がきこえてきた。女子高生がジャージ姿で鬼剣舞の練習をしていた。まさに、したたるような、柳の萌黄のしたで。

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